ディック・ページが教える赤リップの遊び方
モード女子に欠かせない赤リップが、この春夏、とびきり存在感を増している。ひと塗りで凛とした佇まいに変えてくれる赤リップだけど気後れしてしまう色であるのも事実。そこで、2名の赤リップラバーをモデルに、資生堂アーティスティックディレクターで世界屈指のトップアーティスト、ディック・ページに今年らしい“遊び方”を聞いた。本日は、アーティストSHOKOさん編。
パワフルな赤から奥行きのあるクリアな赤へ
メイクボックスに、いつもお気に入りのリップを5色ほど常備していて、ファッションやシーンに応じて使い分けをしているというアーティストのSHOKOさん。パリジェンヌのように、赤リップがスタイルとして定着している彼女の好みの質感は、断然“マットな赤”派だったとか。
「普段から赤リップを使用することがほとんど。この色が自分の顔やファッション、個性に一番合っていると思うので愛用しています。1960年代のヨーロッパの女優やシンガーがしていたような、太いアイラインと派手リップの合わせワザが好きなスタイルなんです。この赤口紅を取ってしまうと、自信までなくなる感じ!」と、赤リップにひとかたならぬ思いがある彼女をモデルに、ディックが同じ「赤」というテーマで、タッチアップしたのが下の写真。
赤リップのもつ普遍的な女性らしさに、ツヤ、透明感、優しいニュアンスを添えた口元にイメージチェンジ。
ディックが教えてくれた、赤リップを攻略するための3つのアドバイスが
①洋服含めて全体像で捉えること
②ルールに縛られずに自由に色を遊ぶこと
③顔全体のバランスを見てメイクのポイントを絞ること
カラーヘアに似合う赤リップって? という質問にも当然ながら、「全く関係ないよ。そのときの気持ちに順応する色やネーミングで選んでいいんだよ」という答え。そしてこっそり「僕自身、バックステージや雑誌のシューティングでメイクをするときに、一般的なリップメイクの常識からしたらやってはいけないことをやっているんだよ(笑)」と教えてくれたプロの秘伝を伝授!
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【SHOKOさんのメイク後記】
自分でメイクするときは、マットな赤リップをシンプルに塗るだけですが、今回ディックがヌーディなピンクを赤のベースに使用していたり、「メイクは唇だけではない、全体のバランスだ」と目元にハイライトを入れられていたのを見て、メイクの奥深さを実感! 普段ファッションとのバランスを見ながらメイクを楽しんでいるつもりですが、今後ディックのアドバイスを念頭にメイクをしたら、メイクの幅もより一層広がって楽しめそう。 -
【Profile】
ディック・ページ(Dick Page)
イギリス生まれ。ロンドンを活躍の場としてファッション業界に進出後、NYへと拠点を移す。「マイケル・コース」「ナルシソ・ロドリゲス」「マーク BY マーク ジェイコブス」「セリーヌ」などのファッションショーのメイクを担当し、創造性に満ちたタイムレスなメイクで高い評価を受けるメイクアップアーティストのひとり。世界各国のモード誌でもクリエイターから絶大な支持を得ている。
Photo:Yoshihiro Toyota(pinx.)