グルメハンター 2016/10/15(土)
ローカルフードハンターYUMMYの地方”銘物”狙い撃ち!

「日本の“おいしい”を探せ!」連載 エディターのこぼれ話【富山・東部編】

幸運なことに、富山県は個人的にご縁のある県。行くたびにこの土地の食材のレベルの高さに驚かされます。しかも富山の人たちはとても奥ゆかしいので、一般には知られていない食材がいろいろとあったりもします。今回、訪れたのは富山県東部の朝日町、魚津市、上市町と初めての地域で、未知の食材との出会いの予感がします。

「日本の“おいしい”を探せ!」連載 エディターのこぼれ話【富山・東部編】

上市町内から霊峰剱岳などの山々が眺められる。上市町は山岳信仰や修験道の影響が残る独自の文化が栄えた里。

今回の取材のテーマは「水」。最初に訪れたのが上市町の「穴の谷霊水」。穴の谷と書いて「あなんたん」と呼びます。北アルプスの剣岳の山間に湧く水で、美濃国の白心(はくしん)法師がこの地で修行して以来、霊場として知られるようになりました。

「日本の“おいしい”を探せ!」連載 エディターのこぼれ話【富山・東部編】

写真右:水を汲みに来る人が絶えない「穴の谷霊水」(中新川郡上市町黒川84)。写真左:風光明媚な場所にある「弘法大師の清水」(中新川郡上市町護摩堂)。冬季は閉鎖の場合あり。

寝たきりの女性がこの水を飲んで歩けるようになったという逸話があり、“富山のルルドの水”と言われているとかいないとか。飲んでみると、冷たくて透明感があり、まろやかな味がします。

「日本の“おいしい”を探せ!」連載 エディターのこぼれ話【富山・東部編】

写真左:「大岩そうめん」(写真右上¥500)が食べられる「旅館だんごや」の女将、滝川典子さん。写真右下:「八笑」の「ぶっかけさくら海老」(¥1,100)。

今回楽しみにしていたもののひとつに、「大岩そうめん」(写真右上)がありますが、てっきり大岩で作っているそうめんだと思ったら、そうめん自体は奈良県で作られた3年熟成のもの。このそうめんを茹でて冷やすのに水のおいしさが大きく関わってくるのだそうです。「水がちょうどいい冷たさなんですよ。だからそうめんがおいしくいただけるの」と女将の典子さん。
そば店「八笑」のご主人大坪寛さんも、「水がうまいからそばもうまいんだよ」と話していました。実際、「八笑」のそばは(写真右下)香りが高く、ピュアな味わいがして、心やさしいご夫妻の心遣いにも感激。たとえば「くるみそば」を頼んだら、くるみだれのほかにそばつゆも付いてきたり(せいろにするか迷う必要なし!)、「蕎麦がき」は練ったものと揚げたものの両方が盛られているなど(メニューにはそんなことは書いてないんですが)うれしいサプライズが。ひけらかすことなく心遣いができる店だから、居心地がとてもいい。絶対に訪れてほしいお店です。

「日本の“おいしい”を探せ!」連載 エディターのこぼれ話【富山・東部編】

写真左:「八十八」のご主人の三浦心一さんと奥さまの紀代美さん。写真右上:中央はトマトをレモン煮にした後に肉巻きにして照り焼きに、野ぶきは有馬煮、ゆず胡椒煮に、キュウリは昆布締めに(夜のおまかせ懐石¥6,500~)。写真右下:山の高台にあり、空気が澄んでいる。「弘法大師の清水」のそば。

そして「水へのこだわり」といえば、標高約450メートルの山中にある摘み草料理の「八十八(やとはち)」。ご主人の三浦心一さんは「弘法大師の清水」の水の素晴らしさに感銘を受け、この地で宿を始めました。「この水を使うとだしの味も全然違うんです」と三浦さん。東京や京都の料亭、高野山で精進料理の修行を経て、ニュージーランド・ウェリントンの日本大使館で日本料理のシェフとして働いた経験を持ちます。四季の山の幸を活かした料理はひとつひとつ手が込んでおり、初めて味わう料理ばかり。山菜や野草、きのこ類は三浦さんが山に入り、必要な分だけとってきます。野菜が全体の7~8割で、食べた次の日の朝、体が軽くなっているからびっくり。まさに「五味五感を刺激する料理」でした。 

「日本の“おいしい”を探せ!」連載 エディターのこぼれ話【富山・東部編】

写真左:「剱茶屋」の矢合ご夫婦。写真右上:いのしし肉がたっぷりの鍋(3人前から要予約/1人前¥1,800)。 写真右下:いのししを使った角煮と酢の物(時価)。

富山はジビエも有名。上市町内には野生獣肉加工施設があるため新鮮ないのしし肉が手に入り、小料理屋の「剱茶屋」ではいのしし鍋がいただける。赤身と脂のコントラストの美しいことといったら! いのししはもちろん、いのししの出汁をまとった白菜やごぼう、白ねぎがめちゃくちゃ美味。主人の矢合真治さんはいのししを使った料理をいろいろと考案中。この日も角煮や天ぷら、すりおろしたりんごのタレでヒレ肉を漬け込み、網脂を巻いて焼く「イノシシ網脂アップル焼」などを振舞ってくれました。いのしし料理は要予約だそうです。
 
>旅の2日目は、魚介オンパレード! 

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photo : Rui Izuchi special thanks : Nihonbashi Toyama

  • 旅館 だんごや
    中新川郡上市町大岩32
    tel. 076-472-2306
    営業時間/10:00~15:00
    不定休
    http://www.ryokandangoya.com
     
    手打ち蕎麦 八笑 
    中新川郡上市町森尻391
    tel. 076-473-3262
    営業時間/11:30~14:30 土曜11:30~14:30、17:30~19:30
    定休日/火・水曜
    http://www.soba-hassho.com
     
    和風オーベルジュ 八十八
    中新川郡上市町護摩堂535
    tel. 076-473-2267
    営業時間/11:30~15:00
    不定休
    ※夜は要時間相談
     
    剱茶屋
    中新川郡上市町若杉4-5(上市駅構内)
    tel. 076-472-2055
    営業時間/11:30~13:30 、17:00~21:30
    定休日/月曜
     
    栄食堂
    下新川郡朝日町境647-1
    tel. 0765-83-3355
    営業時間/7:00~20:00
    定休日/第4月曜
     
    鮨 ひょうたん
    下新川郡朝日町泊416
    tel. 0765-82-0380
    営業時間/17:00~22:00
    定休日/水曜
    http://www.toyamawan-sushi.jp/shop/cat16/post-56.html
     
    浜多屋 魚津駅前店
    魚津市釈迦堂1-15-8
    tel. 0765-23-5775
    営業時間/17:30~23:00(22:30L.O.) 日曜15:00〜21:00
    定休日/月曜
    http://umaizonet.jp/hamadaya/
     
    日本橋とやま館
    東京都中央区日本橋室町1-2-6 日本橋大栄ビル1F
    tel. 03-6262-2723
    営業時間/10:30~19:30 和食レストラン「富山はま作」11:30~14:30、17:00~22:30(日曜、祝日~21:00)
    http://toyamakan.jp/

  • YUMMY_EXTRA DATA

    YUMMY●アシェット・フィリパッキ・ジャパン(現ハースト婦人画報社)に入社後、エル・ジャポン、プレミア、 マリ・クレール編集部を経て、フリーランスのエディター&ライターに。カルチャーから食、旅などを専門に執筆。地域活性のお手伝いも兼ねて、日本中を飛び 回る毎日。

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