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国連エイズ合同計画の親善大使を務めるヴィクトリア。ロンドンで初となる路面店オープンの日には、NYで開かれた国連総会に出席し、ビジネスよりチャリティを優先したと話題に。

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【2014】 国連大使に。自分に何が必要かを見極める才能

14のチャリティ活動を支援するヴィクトリア。この年、これまでの活動が評価され、国連エイズ合同計画の親善大使に任命される。
 
ヴィクトリアがエイズ対策のために開催した600着の私服アイテムを売りに出したところ、高額購入者が続出し大盛況。実は、この成功を支えたのは、まさに“嫌われた過去”だった。
 
派手だと言われようと、センスがないと言われようと、着続けたインパクトあるアイテムの数々。嫌われた分だけ彼女のファッションは、記録されている。どのアイテムもインターネットで検索すればいつ、どこで、誰と着ていたかがわかるものばかり。そんな“セレブ”なアイテムなら、1枚は記念に手に入れておきたいと購入者が殺到するのは必然。ゴシップな過去が、慈善活動に役立ったことで、いじられていた過去すら美しいものに変わってしまった。

ついにヴィクトリア・ベッカムの名は、イギリスの中流階級を経て、上流階級にも通用するものとなる。キャサリン妃にブーツをプレゼントを受理されたうえに着用までなされたというから大したもの。同じくキム・カーダシアンが自身のブランド製品を送ったところ拒否されたのと対照的な出来事だ。

地味だった長男のブルックリンも、ハリウッド女優のクロエ・モレッツと交際。クロエは、フランス映画『Cloud of Silsmaria』での好演で、ヨーロッパでの活躍も期待されているとあって、一家とその周辺の人物はこぞって影響力の幅を広げている様子。

9月には、ついにロンドンのドーバーストリートに旗艦店をオープンする夢が叶った。しかし、ここでもバランス感覚を発揮。“持てる者”がどう振る舞うべきかを知っていた彼女は、会社としてはどうしても出席してもらいたかったであろうショップオープニングも無視して国連親善大使としての仕事を優先。ビジネスの仲間やブランドのファンに愛される行動よりも、自分の存在を高める行動を選択する。

一貫して世間に好まれることや、他人に愛されることを拒否し、常に自分のキャリアと人生に何が必要かをまっすぐに貪欲に追及してきたヴィクトリア。すでに2007年以前の彼女を知らない世代が大人になっている今、彼女を純粋に“ファッショニスタ”としてしか認識しない人が増えている。
 
皆に嫌われ、成功に愛されたヴィクトリアは、今後さらなる活躍を見せるのか、はたまた大きな暗雲が立ち込めるのか。ますます目が離せないけれど、ただひとつ言えるのは「ヴィクトリアは全てを手にしている」ということ。
 
ヴィクトリアのように、“誰でもいい誰か”にも愛されたいという欲望を捨てさえすれば、もしかしたら幸運は手に入れられるのかもしれない―――。

「【後編】世界的ファッショニスタ、ヴィクトリア・ベッカムの幸せキャリア計画」トップへ

photo : AFLO、GettyImages

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