【後編】浮気騒動後の威厳＆再結成。悲劇から急激に這い上がる！

スパイス・ガールズのなかでもっとも不人気なヴィクトリアが、前途有望な素朴サッカー選手を華やかに変身させたことで、世間からは悪女扱い。デビッドのワールドカップ一発退場事件で、ファンからも「デビッドを不良にした悪妻」と責められ四面楚歌になったヴィクトリア。しかし、そこで良妻に見えるように振る舞うといった、世間への媚びはなく、2003年にレアル・マドリードに移籍した夫への同行までも、自分の音楽活動を理由に拒否。
 
すると、すぐさま赴任先のスペインで夫の浮気報道が！　なんと、こともあろうに彼の広報担当の女性が「ベッカムと浮気した」と告白したのだ。この暴露話で自称浮気相手がマスコミから手にした額は、およそ1億円とも言われており、その後も“自称”浮気相手が続出。運気とともに、夫婦仲まで破壊してやろうという悪意が噴出した2000年代前半。この騒動を収拾すべく、ヴィクトリアは子どもを伴いスペインに移住。すぐさま三男のクルースを妊娠している。
 
それもこれも、ヴィクトリアが演出した“美しく、魅力的なベッカム像”のせい。絶大なる広告価値をもっており、肖像権だけで十分チームが潤ったと言われたこのときのベッカムは億万長者。おこぼれにあずかろうと寄ってくる有象無象の数も常軌を逸していた。「さっさとスペインに移住していれば私と浮気せずに済んだ」と、世間を騒がせた浮気相手の挑発に乗ってか乗らずか、総額20億円の謝罪プレゼント（指輪と別荘など）と引き換えに再び同居を始めた夫婦。
 
事態もおさまり、スペインとロンドンの往復を繰り返しながら進めた、スパイス・ガールズの再結成プロジェクトの結果がようやく実現しようとしていた……。