エディターズPICK 2017/11/4(土)

私たちが服を捨てられない理由とは? 専門家が科学的に検証

毎朝スタイリングのために開くクローゼット。服でパンパンだけれど、実は全然着ていない服が占拠している……という事実に心当たりはない? それはパリジェンヌも同様のよう。どうして服がタンスの肥やしになるのか――そんな世界共通の悩みに専門家がアンサー。フランス版「エル」より。

着る機会が多い服ほどタンスの肥やしに!?

一目惚れして購入後は頻繁に着ていた洋服も、少し時間が経つと出番が減り、やがてタンスの肥やしになってしまうことがある。そのまま着る機会もないけれどなぜか捨てられない服を、誰もが一着は持っているはず。その厄介な問題について心配した科学者たちは、この現象についての理由を検証した。

「ザ ジャーナル オブ マーケティング リサーチ」誌で発表されたアメリカの研究と、研究機関専門のニュースサイト「EurekAlert!」によると、一定期間さまざまな機会で着る回数の多かった服ほど、後に着なくなってタンスの肥やしとなる傾向があるという結果が! 理由として挙げられるのは、あまり着ていない洋服には満足しきらないという錯覚的な認知から来ているとのこと。例えば、もしあなたが一着のドレスを結婚式などの華やかな場で着るために買ったとして、そのドレスをオフィスや食事、飲み会の場に着ていくようにもなったとしたら、奇妙なことにあなたの心のなかではドレスがもう特別なものではなくなり、あまり大切にしなくなるという結末に至る。「その製品に多くの使用方法があればあるほど、我々は同じ結論に至りました。それは、製品に多様な使用法があるほど、そのものをあまり好きにならない」と研究者は説明した。

逆にあまり着る機会がなかった服は、もととれ感や満足感が得られず、もう着ないとわかっていながらも「まだ着る機会があるかも……」と諦めきれず捨てられないという悪循環が。これがクローゼットに服が増え続ける理由。

マーケティングにおける変化も?

そしてこの新事実が公表されたことで、ファッションブランドはさまざまな反応を見せ始めている。どんなシチュエーションにも対応する多機能な洋服を売っていたところを、着用シーンを限定するような洋服を作るようになってきているブランドも。着まわしやもととれ感と特別感―ー今後どんな洋服が私たちの購買意欲をもっと掻き立てるのだろうか? 

いづれにせよ、タンスの肥やしをこれ以上増やすことのないよう、買い物に対する審美眼と不要なものを捨てる勇気を持つことが、スタイリング上手への近道というのは間違いないようだ。

illustration: GETTY IMAGES translation: ELIE INOUE

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