「プラスを取って、単なる”モデル”になりたい!」男性ブロガーが描く、新しい美への挑戦
NY在住の男性ビューティブロガーが、男性のファッションとビューティについて一石を投じるために、「カルバン・クライン」の象徴的な広告を再現。そのクリエイティブが、モード界に波紋を広げている。UK版「エル」より。
「ワンサイズがすべての人に合うわけではない」という考え方が、最近のファッションとビューティ業界では広がり始めている。これは、美しさは体形に左右されない、されるべきではない、と世界に訴え続けているモデルのアシュリー・グラハムとイスクラ・ローレンスの努力によるところが大きい。
残念ながら、プラスサイズの男性モデルについては同じような議論はされてはいない。
考えてみて。我々がテレビ広告やランウェイ、そしてお気に入りのメンズブランドのキャンペーンで目にするような、ほっそりとした筋肉のいわゆるモデル体形ではない男性モデルを最後に見たのはいつ?
だから、ブロガーのダーネル・グラハムは、彼の新しい#WeAreBigAndTallプロジェクトでファッションにおける男性の美の認識を変えようとしているのだ。
「カルバン・クライン」の#MyCalvins A$AP Mob 広告キャンペーンビジュアルを自分たちで再現撮影するために、グラハムはフォトグラファーのトニー・トロットとモデルとして友達たちに協力を求めた。
「友達数人と一緒に僕の誕生日のために再現撮影するのはクールだろう、と直感した」と、グラハムはウェブマガジンMicで語った。
「計画の真っ只中に、僕は@foreverfeminismのポストにタグ付けされたんだ。その写真とキャプション(説明文)には『私は一度もプラスサイズの男性モデルを見たことがない』と書いてあった」
グラハムはそのポストを見て、男性のファッションとビューティにおいて、何が“美しい”、もしくは“魅力的”とされるのかという固定概念を変えるために、彼の影響力とプラスサイズの男性モデルとしてフォローしているインスタグラムを使うことを思いついた。
「ダイアナ(「カルバン・クライン」の広告キャンペーンのカーダシアン&ジェンナーをマネして撮影した写真が話題となった、プラスサイズモデルのダイアナ・シロカイ)の写真を見たとき、アイディアが固まったんだ。撮影をしなければ、そして他の人たちが問うていた疑問に答えなくてはと確信した’と彼は明かした。
【ダイアナ・シロカイによるカルヴァン・クラインの広告の再現】
ゴールは? 「ファッション業界に対して、我々は存在し、そして多様であると伝えることだ」というグラハム。
「太っていようと、背が高かろうと、単に世界標準から外れていようと、みんなハンサムで価値がある。我々はその考え方を広め続けなくてはいけない。あいにく自分たちの力量を証明するためには、今以上にもっと積極的に活動していかなければいけないけど。間違っているように聞こえるかもしれないが、最終的には我々は地位を得るだろう」と彼は続けた。
彼のキャンペーンによって、グラハムはプラスサイズの男性モデルの認知度向上と、男性の体形についての議論がオープンになることを期待している。
「我々はいたるところで広告を見るようになり、ぽっちゃりとしたモデルはもはやタブーではなくなるだろう」と仮説を立てている。
最終的には、’プラス‘を取って、単にモデルとなるだろう―ーなんと美しいメッセージ!
Text: Shiho Amano Photo: courtesy of Darnel Ghramm via Instagram
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