ありがとう、フィービー! 女性に強さと自信をもたらした彼女の功績とは?
「セリーヌ」を去ることが発表されたフィービー・ファイロ。2008年以来10年にわたり同ブランドを牽引し、再興に導いた彼女によるラストシーズンは、2018年3月に発表される2018年秋冬コレクションと言われている。数多くのヒットアイテムやトレンドを生み出し、モード界に多大なる影響を与えたフィービー。彼女がファッショニスタのワードローブにどんな影響を与えたのか、ここ最近の活動を中心にプレイバック。
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2018年春夏コレクションが「彼女の最高傑作」と称された
今年10月に発表された「セリーヌ」の2018年春夏コレクションが「彼女の最高傑作」と称されたフィービー。以前から退任の噂が絶えなかったけれど、人気が高いだけに今回のニュースを改めて残念に思うファンも多いはず。退任理由は明らかにされていないものの、彼女は2006年にも「クロエ」のクリエイティブ・ディレクターを突然辞任している。ステラ・マッカートニーの後任として、2001年に同職に就任したフィービーは、5年間でブランドの売り上げを60%上昇させ、“パディントン”バッグをはじめとした大ヒットを次々と生み出すなど、大きな功績を残した。
辞任後は他のメゾンへ移籍せず、しばらくロンドンにて家族との時間を優先していた彼女。それから2年後の2008年に「セリーヌ」のクリエイティブ・ディレクターに就任した。その頃の「セリーヌ」は、2004年にマイケル・コースが去って以来なかなかデザイナーが定着せず、やや低迷気味だった。そこにフィービーが現れると売り上げは2億ユーロ(約268億円)から7億ユーロ(約940億円)にまで引き上げられたといわれている。そして彼女もコマーシャリズムとアートをミックスした独自のスタイルを確立した。
photo:GETTY IMAGES translation:REIKO KUWABARA from Harper’s BAZAAR UK