2017年
『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』
『ラ・ラ・ランド』や『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』など、並み居るライバルを抑えて2017年に衣装デザイン賞を受賞したのが、『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』の衣装を手掛けたコリーン・アトウッド。ティム・バートンの右腕として、『シカゴ』、『SAYURI』、『アリス・イン・ワンダーランド』で同賞を受賞しているコリーンにとって、これで4回目の受賞という快挙。“狂騒の20年代”ともいわれる1920年代のNYを舞台にした本作で、エディ・レッドメインをはじめとするキャストが着用していたのは、ゆったりとしたツイードジャケットやボディラインの出ないコート、太めのボトムスといった、労働者階級のリアルな平服。特に、ダン・フォグラー演じるジェイコブ・コワルスキーの衣装は、布が擦り切れていたり、ボタンがちぐはぐだったり、靴が汚れて穴が開いていたり……工場で働く男性の決して裕福ではない生活をとことんリアルに表現。衣装に注目して、改めて鑑賞したい。