“This Is Not America”がすべてを物語る
ショーの始まりと終わりを飾ったのは、共にデヴィッド・ボウイとパット・メセニーによる楽曲「This Is Not America」。ただしバージョンが異なり、オープニングでは女優のソフィー・アン・カルーソが歌う、ミュージカル「Lazarus」バージョン。エンディングではデヴィッド・ボウイによるオリジナルが採用された。
ミュージカル「Lazarus」は、ボウイ主演の映画『地球に落ちて来た男』(76年・英)の原作に基づいて、演出家イヴォ・ヴァン・ホーヴェにより舞台化された作品。ボウイが生前最後に手掛けたプロジェクトで、彼が亡くなる1か月前にNYで初演を迎えている(ちなみに演出家のイヴォは、ラフと同じくベルギー出身)。
「This Is Not America」というタイトルには、トランプ政権によってあらわになった、アメリカの分断を憂いる気持ちが込められていたのか。少なくとも考えるきっかけになったことは間違いない。