エディターズPICK 2015/11/25(水)

【vol.2】大統領の消された妹:アメリカのファッション史を築いたケネディ家の女たちの光と影

ジャクリーン・ケネディ・オナシス、その妹のリー・ラジウィル、ジョン・F・ケネディJrに嫁いだキャロリン・ベセット・ケネディ。ファッション・アイコンとして今もなお絶大な人気を誇り、現在も影響を与えているケネディ家の女性たち。でもその陰で人知れず存在を葬られた長女がいた……。華麗なる一族に隠された悲劇の長女、ローズマリーの人生が最新の資料に基づき1冊の本「ROSEMARY The Hidden Kennedy Daughter」として出版されたばかりの今、ケネディ家の女性たちのパワーを振りかえれば、その分だけ濃かった影の部分も見えてくるはず。2つめの物語は、大統領の義妹でジャクリーンの実妹、リー・ラジウィル。

リー・ラジウィル(Lee Radziwill)

【大統領の義妹】リー・ラジウィル:姉を凌駕し、真のアメリカン・ファッションのスタイルアイコンとして生きる

 
トルーマン・カポーティの言うところの「ソーシャル・スワン」、プリンセスの称号を得たアメリカ人女性、そして偉大なアメリカン・アイコン、ジャクリーンの妹、リー・ラジウィル。82歳の現在でも健在で、数々のファッションショーのフロントローの常連として精力的に活動している。
 
1933年、ジャクリーンの4歳年下の妹として生まれる。本名はキャロライン・リー。1951年にはジャクリーンと共にパリに遊学している。「ジャクリーンが常にパリに魅了されていたとしたら、私はいつもイタリアとその文化に魅了されてきたわ」と2013年、映画『ブリング・リング』のためにソフィア・コッポラが行ったインタビューのなかで答えている。姉とともに寄宿していたミス・ポーターズ・スクールの美術史教師に影響されて、20世紀を代表する美術評論家、バーナード・ベレンソンに憧れ、彼の居城であるイ・タッティに招待されるまで手紙を書き続けた。
 
1953年、姉より先に結婚する。相手はアメリカの出版社主の養子で(時のケント公ジョージ王子の隠し子ではないかと噂されていた)マイケル・キャンフィールド。競うように同年姉ジャクリーンが結婚した折には、メイド・オブ・オナーを務めている。ところが1957年、イギリスに亡命していたポーランド王族のスタニスラフ・ラジウィルと交際を始め、1959年、キャンフィールドと離婚すると、すぐさまスラニスラフと略式結婚を行う。双方とも敬虔なカトリックだった2人は、最初の婚姻無効の申し立てを行いそれが通ったのは、義兄の大統領ジョン・F・ケネディのおかげだったそう。

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Photo:GETTY IMAGES Text:Ryoko Tsukada

  • (参考文献)
    ローレンス・リーマー「ケネディ家の女たち」
    Edward Klien 「Just Jackie : Her Private Years」 
    ネリー・ブライ「ケネディ家の悪夢 セックスとスキャンダルにまみれた3世代の男たち」 
    クリント・ヒル「ミセス・ケネディ 私だけが知る大統領夫人の素顔」

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