エディターのOKINI by NAHO

永遠の小悪魔、加賀まりこに生き方を学ぶ写真集

エル・エディターが私的に夢中になっているものなどをリアルな目線でお伝えする、デイリー連載OKINI! 本日はファッションエディターのNAHOが、最近手に入れた加賀まりこさんの写真集について熱弁。

『私生活』(1971年)/本人私物

映画『月曜日のユカ』(1964年)に衝撃を受け、加賀まりこさんの著書『純情ババァになりました。』を読んだのは、高校生の頃。本人の「とんがって、つんのめるように生きてきた」という言葉通りのカッコよさにしびれ、今でも憧れの女性の一人です。
 
そんな彼女が、1971年に出した写真集『私生活』。ずっと探していて、やっと最近見つけて古本を購入しました。個人的にも交流が深かったカメラマン・立木義浩氏が、若き日の加賀まりこさんを東京、軽井沢、パリで撮影しています。人前でつけまつげすら外したことがなかったという彼女のすっぴんやヌードカットが多いのですが、全然いやらしくなくカラッとしていて、おちゃめでおしゃれ。ノビノビと自然体で、今見ても新しい。和製ブリジット・バルドーと言われた小悪魔的な魅力が、『月曜日のユカ』とはまた違うムードで表現されているのです。そして装丁は、池田満寿夫というのもすごくいい。

『私生活』(1971年)/本人私物

加賀まりこさんと言えば、17歳の時、通学中に篠田正浩と寺山修司にスカウトされ、いきなり『涙を、獅子のたて髪に』の主演として1962年に映画デビュー。それ以降、みるみるうちにトップ女優になりますが、20歳のときに忙しすぎる仕事と週刊誌の記事に嫌気がさし、仕事をすべてキャンセルして単身パリへ渡ったというエピソードが大好きです。著書『純情ババァになりました。』や『とんがって本気』にも詳しく書いてありますが、今まで稼いだお金をすべて使って普通の女の子になるという名目で、パリでオートクチュールを仕立てたり、ぼろぼろのジーンズとTシャツで高級ブランドに行って時計を購入したり、イヴ・サンローランやトリュフォー、ゴダールなどと交流をしていたという……。「いやいや、全然普通じゃないから!」とツッこみたくなりますが、ものすごく度胸とユーモアのある彼女だからできた、パリでの暮らしは何度読んでもうっとり。
 
この写真集は、27歳の頃の加賀まりこさんを撮影したもの。ちょうど今の自分と同じ年齢というのに運命を感じつつ、いろんな意味で重みがあります。自分へパワーや気合を入れるために、たびたびこの写真集を開こうと思うのでした。

  • Illustration:DAICHI MIURA

    ファッションエディターNAHO:遅ばせながら、映画「この世界の片隅に」を観に行き、早くも私的2017年ベスト映画になりそうな予感。すでに2回映画館に行き、3回目も行きたい勢い。原作漫画ももちろん購入! 戦争映画だからと敬遠せず、なんの先入観も持たずに観に行ってほしい。キラッキラしてます。のんさんが最高です。戦争映画だから泣けるんじゃないんです、すずさん(主人公)の毎日が愛しくてしょうがないからなんです!

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