エル・エディターのOKINI 2016/10/11(火)
エディターのOKINI by MINAKO

初体験! 復活した新・「日活ロマンポルノ」を鑑賞してきた件

「日活ロマンポルノ」がこの冬、再始動!ということで生誕45周年のアニバーサリーイヤーでもある今年、新作を立て続けに発表。官能映画は見たことがあるものの、ロマンポルノヴァージンだったアシスタント・エディターMINAKOがいろいろと想定外だったという、初鑑賞後の驚きと発見をレポします! 

(C)2016日活

人気があったもののアダルトビデオの台頭(同時並行としてビデオデッキの普及)によってポルノに負けていき、その長い歴史に幕を下ろすことになった“ロマンポルノ”。今回、この冬再始動するという「日活ロマンポルノ」の最新作の試写があるということで早速行ってきました。

「日活ロマンポルノ」は、ピンク映画やアダルトビデオとは根本的に別物で、裸を題材にした人間の本質的なドラマ(ロマン)が見れるところが大きな魅力の一つ。”ロマンポルノリブートプロジェクト”と題された今プロジェクトでは、新作と旧作の上映を通してロマンポルノ鑑賞の場を拡大することが目的だそう。“10分に1回絡みのシーンを作る”“全作品が同じ製作費”といった既存の「日活ロマンポルノ」ルールに加え、新作では“これまでロマンポルノ監督経験のない人”“オリジナル作品であること”が新たな条件として追加。その新作のメガホンを取った監督陣は、日本の映画界を支える塩田明彦や白石和彌、園子温、中田秀夫、行定勲と超豪華!

『エマニエル夫人』や『極妻』、『完全なる飼育』など、エロい映画は一通り見てきたものの、”ポルノ”と名がつくものはこれが初めての私。今回は、『黄泉がえり』や『どろろ』でお馴染みの塩田明彦監督の『風に濡れた女』を鑑賞。

(C)2016日活

都会の喧噪を避け、過去から逃げるように山小屋で暮らす男・高介は、生命力を持て余し、野性味溢れる魅力を放つ女、汐里との出会いによって、欲望の渦に巻き込まれていく……。というストーリー、まずポイントがこの高介を演じる永岡佑(『重版出来!』や『花燃ゆ』に出演)が文化系の塩顔イケメンだというところ。一見真面目で大人しそうな風貌の彼が意外に激しく野性味溢れるラブシーンを演じる姿には萌えました。そして二つ目のポイントは、間宮夕貴演じる汐里と高介の熱いバトル。タランティーノ監督もびっくりのベッド上での裸のバトルは必見。ドリフを彷彿させるような小屋を使用した壮大な仕掛けにもびっくり。”エロ”シーンでは思わず手で目を覆ってしまう女性も、これならエンターテイメントとして見られるはず。三つ目のポイントが、スピーディに進行していくストーリーに隠された裏テーマ。欲を捨ててきたはずの男性と、欲に純粋な女性を動物や自然に例えたオフビートな笑いは秀逸でした。

(C)2016日活

最初は“エロ”ということで下心がありながら見た今作も、鑑賞後は壮大なファンタジー映画を見た後のような爽快感。モヤモヤもムラムラもせず、逆にスッキリ。80分前後と決められているからこそ、テンポも良く他の作品も見たい気持ちに。PRの方に話を伺ったところ、もっと女性にも普及して欲しいという思いで今回のプロジェクトはスタートしたのだそう。それも納得、“ポルノ”や“エロ”に抵抗感がある人にもぜひ観に行って欲しいストーリー重視の大人のエロスでした。

面白いうえに、見た後に精力も何となくアップした気が……。この秋は、鰻を食べに行く感覚で「日活ロマンポルノ」通いをしたいと思います。

  • 「ロマンポルノリブートプロジェクト」

    1971~88年に製作され、一定のルールのなかで撮影するという特質を有した「日活ロマンポルノ」。10分に1回絡みのシーンを作る、70~80分前後の上映時間、全作品が同じ製作費、撮影期間が1週間程度という条件のもと、17年間に約1100作品が継続して公開。条件を守れば比較的自由に作ることができたため、創意工夫に富む若手監督たちが新たな表現に挑み続けた結果、最もセンセーショナルな作品レーベルとして国内外で高く評価されている。

    再起動となる本プロジェクトでは、従来のルールのほか、これまでにロマンポルノを作ったことのない監督、オリジナル作品であることが追加。塩田明彦、白石和彌、園子温、中田秀夫、行定勲という日本映画界を牽引する監督が結集し、新たな“ロマンとエロス”を世に送り出す。

    2016年11月26日(土)に東京・新宿武蔵野館で順次公開。

    http://www.nikkatsu-romanporno.com/reboot/

  • MINAKO/アシスタントエディター。副編集長のYOKOが体験したアップルストアのイケメンパラダイス化現象に続き、私は年に一度、東京屈指の文化系イケメンが集うイベント「TABF(東京アートブックフェア)」(本来はアートブックの祭典)に♪ 小難しい顔で立ち読みする塩顔イケメンたちを横目に、私と友だちはアートそっちのけで終始えびす顔。そんなネルシャツ×ストレートデニム×「コンバース」スニーカーのノームコア系イケメンがおしゃれな“ZINE”を買うときに事件が!! 彼が手にしたのは使い込まれたノーブランドの赤茶の革財布ではなく、ぴっかぴかの「ティファニー」のシルバーマネークリップ(推定4万円)にはさまれた千円札。よく見たら眼鏡も「オリバーピープルズ」っぽいし、コンバースも“メイド・イン・USA”モノ。ある意味、ノームコア男子がいちばん意識高い系男子かもしれない……とやっと気づけた脱ノームコアな一日でした。

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