ライバルたちがリオオリンピックで見せた3大萌えすぎる事件簿
エディターが私的に夢中になっているものなどをリアルな目線でお伝えする、デイリー連載のOKINI! 折り返したリオ・オリンピックの前半戦で、激しく胸がザワついた個人的事件簿をお届けします。
瀬戸大也選手の「ワンツーフィニッシュ」発言
競泳400m個人メドレーで瀬戸大也選手が銅、萩野公介選手が金メダルを獲得した直後のインタビューで事件は起きました。萩野選手の傍らで3位で終わった大也くんが言うのです。「東京ではしっかりワンツーフィニッシュできるようにがんばりたいなと思います」。そして表彰のあと、萩野選手は「大也がいなければここにはいなかった」と回答。
この瞬間、全腐女子・腐男子が震えたはずです。
子どものときから天才・萩野選手に追いつくために必死こいてきた瀬戸選手。ただひたすら萩野公介に追いつくために頑張ってきたのです。大也の瞳には公介しか映っていなかったのです!
いっぽう天才・公介。子どもの頃から天才だった萩野選手は、一番で当たり前。彼の瞳には誰も映っておらず、向き合うのは自分のみ。なぜだかオリンピックまで1年と迫ったところで自転車で転んで腕の骨を折るという凡ミスを犯したとき、平井コーチ&公介ママによると「他人に支えられている」と気づいたと。皆、「え、今?」と突っ込んだことでしょう。こんな「他人に無関心で他人を認めなかった(平井C談)」ところも天才たる所以です。しかし思春期に、そんなオレ様な男子の瞳に瀬戸大也というなんだか目をキラキラさせたヤツが入り込んできたのです。あれ? 追いつかれてる。あ、追い抜かれた……。え、コイツに勝つの難しい! なぜだかアイツが気になって仕方ない! 俺どうしちゃったんだ!? と葛藤したのです。妄想です。
こうしてめでたくお互いにライバルとなった2人。大也くん、公介くんと一緒のレースだとなかなか勝てないのに、不在のレースだと「公介がいない分俺がかんばらなきゃ!」と頑張って勝てる。
そこにきて「東京でワンツーフィニッシュ」発言です。
公介1番、電話は2番、3時のおやつは瀬戸大也といった能力の差があるわではないのです。やろうとすれば大也は金メダルを取れるはずなのです。
ふつう「今度は自分が金メダルをとります」あたりが妥当です。「東京では公介に勝ちたいです」あたりです。でも、違うのです。自分が上になるとか下になるとか関係ないのです。大也は2人で並んで表彰台に立ちたいのです。
大也は公介が先を走ってこその大也なのです。大也の瞳には常に公介の背中が映っていなければいけないのです!
なんということでしょう。わしづかみになるこの“永遠の02仔イチライバル”。
しかし思い起こせばゴールした瞬間、あの邪魔者に憤怒した人多数! 表彰台で1位2位で並ぶはずだった大也と公介の離れがたき関係性に、カリーシュという男が割り込んだ瞬間、どれほどの人が生霊となりかけたことでしょう。どれほどの人が六条の御息所になりかけたことでしょう。キィーーーー! 横恋慕してくるなんて許さなくてよっ。ポッと出のくせに! 公介と大也は20年もつきあってるんだからっ。呪ってやる!
でも大也くんのワンツーフィニッシュ発言のおかげで、人々は気づくことができました。ワンツーフィニッシュのために頑張る2人をあと4年は楽しめる、という事実に。
六条の御息所になりかけていた人たちも「あ、むしろカリーシュのおかげじゃない」と手の平を返すことができました。そんな事件でした。
-
エディターKEIICHI : ファッションフィーチャー担当。連日のオリンピック生中継、テレビにウェブにパブリックビューイングにとチェックに忙しいため、仕事しているヒマがない。危険。