撮影の現場ではやることがたくさんあって食べられず、夜になってドカ食いするし、デスクワークも原稿も空腹だと気力が続かない。仕事が立て込むと普段は口にしないようなジャンクなものまで口に入れてしまうので、お腹が空いているのではなく、明らかに前頭葉が正しく働いていないのですね。
　　　　　　
そんな望まないスパイラルを打破してくれるのがジュース。今やすっかり日本でもポピュラーになったコールドプレスジュースを知ったのは5年前、LAのスターローフードシェフ、マシュー・ケニーに学んだローフード研究家さんを取材してから。それまでもファスティング施設で数日過ごして胃腸を休め、体をリセットすることは定期的に続けていたのですが、超低速のジューサーで絞ったジュースは、味わいもデトックス効果もレベルが大違い。パルプ（繊維）を含まずダイレクトにビタミンやミネラルを吸収できるジュースクレンズは、最強のデトックスだと実感。胃腸にはもちろん、食べるか否かの判断ができない状態になっている前頭葉をクリアにしてくれる効果も、私にとっては大きいのです。

そこで、“ちょっと太ったな”と思った朝は自宅でジュースメイキング。できれば3～4日間、難しければ夜までジュースで過ごすだけで、胃腸と脳みそがかなりクリアに。お腹周りもスッキリして、3～4キロの減量が叶います。今使っている「ヒューロム」は、それまで使っていた「クビンス」に続く2台目スロージューサーで、スリムでシャープなところが◎。パワーは先代のほうがあるように思うけれど、文字通り最後の1滴まで残さず絞る機能は「ヒューロム」に軍配！
　　　　　　
ジュースの素材は、週末にマーケットで見つけた新鮮な野菜やフルーツ、ハーブたち。可能な限り皮ごと、種ごと絞るから、無農薬は絶対条件、そしてできる限りオーガニックで。そのとき入手できる旬の素材がいちばん栄養価が高いので、あまり厳密にレシピは決めていないけれど、よくつくるのは、緑のジュースと赤のジュース。

定番のグリーンジュース。小松菜やケール、スイスチャードなどの葉野菜をベースに、この時期はオレンジやグレープフルーツなどの柑橘系を入れるとスッキリと爽やかな味わいに。デトックス効果が破格に高いとされるコリアンダーや、鎮静作用のあるミントをプラスしてもよし、どんなレシピに加えてもよいジョーカー的素材のしょうがを入れることも多々。フラックスシードオイルなどをドロップするとオメガ3脂肪酸も摂れるうえにセサミのような香ばしい香りが楽しめます。
　　
ビーツをキー素材に使った赤いジュースも、本場のLAではベーシック。肝臓をケアしてくれる効果が高いので、365日休肝日なしの私は、おいしいワインを飲み続けるためにも積極的に摂るべし、と心得ています。ねっとりした甘さがあり、少量で本当に真っ赤な色になるのも面白いので、マーケットで見つけると必ずゲット。この時期はスイカやトマトと合わせれば、夏バテ防止にドリンクに。桃は水分が少なくてあまりジュースには向かないのですが、濃厚なコクと甘味が加わってネクター風味に。
　　　　　　
シャルドネグラスやブルゴーニュグラスに入れて、かみしめるように味わいながら飲むと満足度大。けれど私の場合、ぶどうだけで造られるワインは究極にナチュラルなので、クレンズ中もいいことにしています。夜になったら解禁して、本物を飲んでしまいます……。