多肉植物の上手な育て方レッスン
インテリアに取り入れる人が続出中の多肉植物。毎日水をあげなくてもいいことから、育てるのがラクと思われがちだけど、実際育ててみると案外難しいことに気づく人も多いはず。知っているのと知っていないのとでは大違いの、多肉植物の“いろは”を、グリーン通の間で大人気の「ソルソファーム」に聞いてきた!
多肉植物を育てるときの基本ルールとは?
多肉植物はそもそもは砂漠や海岸など、年中暖かく乾燥している地帯に生息する植物。海外で、直接庭に植えこまれているワイルドな情景に惹かれて、始める人も多いけど、実は日本の夏の湿気や、冬の寒さは少し苦手らしい。では日本で、そして室内で楽しむにはどうすればいいの? 今回教えてくれるのは「ソルソファーム」のスタッフ、金子志穂美さん。
「多肉植物はほかの植物同様、太陽と水がまず原則的に必要とされてます。室内に飾っていても、窓際に置くなどして日光を確保し、水もあげすぎないことがポイント。でもこのふたつはよく言われていることでみなさん知ってるのですが、実は夏場は風通しがカギとなるんです」
もともとは外で育っているものを家に持ち替えるので、室内の密閉した空間での環境は、多肉植物にとっては少し過酷。なので、時折窓をあけて風通しをよくしてあげたり、外に出してあげたり、自然の空気に触れらせることが大切だという。
「とはいっても、植物は環境に適応するものだから、室内でも過ごしやすい場所を探してあげれば次第に慣れてくるはず。あと、外に出したあと、夜になる前に必ず室内に戻すことを忘れないで。今の季節も、夜は案外冷えて昼間との寒暖差があることで一気に弱ってしまうので要注意。植物は突然の環境変化にストレスを感じて、一気にダメになってしまうことが多いので、1日中安定した状態を保ってあげるのがベストです」
多肉植物は“暑さ”には強いけど、“蒸れ”には弱いことも覚えておいたほうがいいとか。乾燥した暑さはしのげるけど、湿気のある暑さはしのげないのだ。
「水やりも一般的には『2~3週間おきに、葉が乾燥してくる前に』と言われていますが、夏場は水をあげすぎると、乾燥しきらないうちに日光で土のなかが湯だった状態になり、良くない。その土も重要で、自分で植え替えするときは、水はけのいいサボテン用の土を使うのがおすすめです。また、よく懸念されるクーラーですが、直接当たるのは良くないものの、湿気もとれるし、空気もまわるのでアリです」
ではこんな状態だと危険!というサインは?
「葉が透き通っていたり、黄色くなっていると水分が貯まりすぎている証拠。いわゆる根腐れを起こしている可能性もあり、その場合はいったん仕立て直しが必要です。触るとポロポロ葉が取れてきてしまうこともありますが、そのまま乾燥した土の上において充分に干すと、根が生えてきてそれを土に植えれば復活します。生命力の強い多肉ならではの習性ですね」
毎日水をあげなくていいのは、忙しい現代人のライフスタイルに合ってるともいえる。環境さえ整えれば、あとは多少ずぼらに扱っても生命力でなんとか育ってくれるのが、多肉植物のいいところ!
Photo : Kan Kanbayashi
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「ソルソファーム」
神奈川県川崎市宮前区野川3414 tel. 044-740-3770
営業時間:土・日 10:00~17:00
※必ずウエブサイトで確認を
http://solsofarm.com/