エディターズPICK 2015/4/22(水)

【後編】蘇ったビーチハウスで、大自然を抱きしめる!

建築家アンドリュー・ゲラーが1958年に手がけた、一風変わった木造のビーチハウス。大改修を経て竣工当時の姿に限りなく近づいたこの家には、同時代の家具がよく似合う。前編に引き続き、ニューヨーク郊外のファイアー・アイランド・パインズに建つユニークなフィリップ・モナハン邸をご紹介。

オリジナルの外観を再現し現代的な機能性をプラス

1958年にビジネスマンのルドルフ・フランクと画家の妻トゥルーディの依頼で建てられたこの家は、建物前後のデッキから最上階の主寝室に上がる梯子階段と、それに連なってリビングの吹き抜け上部を通るキャットウォークが特徴的。しかし現在の持ち主であるフィリップ・モナハンがこの家を購入した際には、長年潮風に晒されて傷みが激しく、また時の住人によってデザインに余計な手が加えられていたという。

ゲラーによるこの建築を特徴づける中央の階段は、フィリップが復元した。

「家の正面に初めて立った時、この建物のデザインが当初と変わっていることに気づいたんです。リビングを歩き、キャットウォークを歩き、どうあるべきかを考えました」とフィリップ。彼はこの家本来の輝きを取り戻すべく、建築家のロッドマン・ポールに改築の相談を持ちかけた。「この家は高台から落ちかけており、構造から手を入れなければならなかった。屋内にも現代に合った設備や冷暖房システムを導入する必要がありましたが、そうすれば実用的な形で改築できると思いましたね。」と話すポール。彼らの尽力と情熱により3年の改築を終えたこの家は、『ライフ』誌に掲載された'61年当時のような美しい姿に。フィリップはこれをきっかけに生前のゲラーやフランク夫妻とも親しくなり、トゥルーディ・フランクから水彩画を、またゲラーの妻シャーリーからも絵画を購入している。

  • フィリップ・モナハン(Philip Monaghan)/ニューヨーク生まれ。1976年にテキサス工科大学絵画科卒業、'79年にプラット・インスティテュートで絵画の美術学修士号を取得。長年ファッション業界でアートディレクターとして活躍、デザイナーや写真家、アーティストらと協働した後、2001年より画家としての活動に専念。
    http://www.philipmonaghanstudio.com

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photos : RICHARD POWERS original text : DOMINIC BRADBURY text : SHIYO YAMASHITA

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