『ブルーバレンタイン』
これもある夫婦の始まりと破綻を描いた物語。
成績優秀で将来を期待された妻と、学もなくその日暮らしだった夫。出会うはずのなかった2人が出会い、妊娠をきっかけに結婚してしまうという最初からダメな匂いしかしない始まりですが、映像と演出のおかげでロマンチックなラブストーリーになっています。
物語はそんなふたりの「現在」と「過去」のふたつの時間軸で構成されていて、ひとつは現在から別れに向かっていき、ひとつは出会いから結婚に向かっていきます。その真逆のエンディングが最後ゴールにつきシンクロし、エンドロールのある演出でせつなさ大爆発!
出会った頃はハンサムで優しかった夫も、年を重ねるごとに禿げていき、優しさも依存に変わり、また妻も夫に感謝し未来に夢を見ていたのが、どんどん現実に気づき疲れていく……。これが結婚の本当の姿!?
カップルで観たら「結婚したいね!」と軽々しく言えなくなってしまう作品です。
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〈作品紹介〉
『ブルーバレンタイン』
秀才で真面目な妻シンディ。優しいけれど学がなく努力する才能もないディーン。妊娠をきっかけに結婚するが、結婚7年目に破たんを迎え離婚する日、これまでのふたりの思い出が辿られていく……。甘い恋愛時代と現在の憎しみ合う時間が交互に現れ、生々しい関係性が露わにされる演出がカンヌ国際映画祭で絶賛された逸品。ミシェル・ウィリアムズとライアン・ゴズリングの演技が光り、ふたりを各賞にノミネートさせた。
出演/ミシェル・ウィリアムズ、ライアン・ゴズリング
監督/デレク・シアンフランス
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マキヒロチ/漫画家
朝ごはんを一緒に食べてくれない恋人と別れた主人公まりこ。彼女の女友達を含めた4人の女性の、朝食を巡るストーリーを描いた「いつかティファニーで朝食を」を月間コミック@バンチ(新潮社)で連載中。朝食とともに紹介される、女性が人生のなかで迎える障害や葛藤が「リアルすぎる」と話題沸騰! 第46回小学館新人コミック大賞入選。