『ふたりの5つの分かれ路』
フランソワ・オゾン監督が描い、たある夫婦の物語。
5つのエピソードで夫婦の出会いから別れまでを淡々と描いているんですが、冒頭、離婚するシーンから始まるので、カップルで見たらまずドヨーンとします! そして未練タラタラの夫が復縁を迫りつつ最後のセックスをするんですが、なんとも虚しいセックスで(夫、よく萎えなかったな……)性欲減退! そこから倦怠期、出産、結婚式、出会いと時間をさかのぼっていくにつれ、輝いてた頃のシーンに余計虚しさがこみ上げていきます。
ジャケットのデザインが幸せ絶頂期な雰囲気なので、原題の『5×2』という、観たあとにしか理解できないタイトルのままだったら、うっかりカップルで見てしまって衝撃を受けてしまう事故多発だったと思うんですが、なんとなく終わりを予感させる邦題になって被害を抑えられてよかった気がします……!
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〈作品紹介〉
『ふたりの2つの分かれ路』
離婚の手続きをした妻マリオン(ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ)と夫ジル(ステファン・フレイス)は、別れのセックスをし近況を報告し合う。が、お互いへの想いは蘇ることもなく、そのまま別れる。そして物語は、そこに至るまでのふたりの愛の軌跡を遡っていく。 ひと組の男女がどう育ち、何を間違えたのかをそっと語っていく、フランソワ・オゾン監督のリアルでシニカルな手法が炸裂する、究極の夫婦映画。
出演/ヴァレリア・ブルーニ=テデスキ、ステファーヌ・フレス
監督/フランソワーズ・オゾン『8人の女たち』『スイミング・プール』
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マキヒロチ/漫画家
朝ごはんを一緒に食べてくれない恋人と別れた主人公まりこ。彼女の女友達を含めた4人の女性の、朝食を巡るストーリーを描いた「いつかティファニーで朝食を」を月間コミック@バンチ(新潮社)で連載中。朝食とともに紹介される、女性が人生のなかで迎える障害や葛藤が「リアルすぎる」と話題沸騰! 第46回小学館新人コミック大賞入選。