「Netflix」上陸でどう変わる? 映像配信サービスの“いま”を解説!
2015年9月2日(水)、いよいよ「Netflix」が日本上陸し、さらなる盛り上がりを見せるインターネット映像配信サービス市場。そもそも「Netflix」の何がすごいの? すでにスタートしている先行サービスとの違いは? などなど、おさえておきたいポイントを映画ライターのよしひろまさみちさんが解説。
先行サービスとの比較ポイントは?
そもそもTODってのは、日本でもすでにあるサービスなの。たとえばdTVやHulu、TSUTAYA TV、ひかりTVなど。ただ、これらのほとんどはタブレットやスマホで観る人が大多数なのに対して、Netflixはテレビ視聴を前提にしたフォーマットで配信されているのが特徴ね。
実は北米で現在発売されているテレビのリモコンのほとんどには、Netflixボタンがついていて、ダイレクトに楽しめるというほど一般化。日本でも今夏発売の主要メーカー4Kテレビから導入されているわ。ということは、コンテンツも4Kに対応していて、映像にこだわるファンにもうれしいサービスなのね。
また、Netflixだけの強みとされるのは、レコメンド機能。世界約50カ国、約6500万人の視聴データを解析し、視聴者の好みの作品を先回りでお知らせしてくれるというもの。これだとどこになにがあるかわかんない膨大なリストから探す手間もなく、ほぼドンピシャで自分の好みの作品が楽しめるとあって、手間なしラクチン派にはたまらんのよ~。実際、北米での視聴者の大多数はこの機能を利用してるんですって。どんだけめんどくさがり~!
Amazon参入で市場はさらに活性化
Netflixの日本市場参入で、一気にTODが一般化しそうな昨今。特にNetflix同様にオリジナルドラマを制作し、「Transparent」で今年のゴールデングローブ賞も獲得しているAmazonも、日本での「プライム・ビデオ」サービス開始を発表したわ(9月中スタート予定)。これはAmazonのプライム会員向けのサービスで、ほぼ他のTODと同じ方式。ラインナップは順次発表されるようだけど、4Kフォーマットにも対応しているとあって、今後、既存のTODサービスにも影響を与えることは必至。
フォーマットが出揃ったら、今度は価格競争とコンテンツ競争になることは想像に難くないわよね。価格に関しては現状、もっともお安いプランが月額500~1000円前後くらいから、と各社あまり差がないのよね。多分、そのベースは変わらず、画質や同時視聴可能枠、コンテンツの即時性などで勝敗が分かれていくんじゃないかしら。
text : Masamichi Yoshihiro