「Netflix」上陸でどう変わる? 映像配信サービスの“いま”を解説!
2015年9月2日(水)、いよいよ「Netflix」が日本上陸し、さらなる盛り上がりを見せるインターネット映像配信サービス市場。そもそも「Netflix」の何がすごいの? すでにスタートしている先行サービスとの違いは? などなど、おさえておきたいポイントを映画ライターのよしひろまさみちさんが解説。
「Netflix」の強みは“作品至上主義”
世界最大のテレビ・オン・デマンド(以下TOD。日本での一般的な同種サービスはビデオ・オン・デマンドと呼ばれてます)「Netflix」。といってもピンとこないわよね。ざっくりいうと「スマホやタブレットでも観られて、定額見放題のレンタルビデオ」って感じ。
Netflixも実は、元を正せばTSUTAYAや楽天がやってる配送式のレンタルサービスからスタートした会社なんだけど、レンタルをストリーミング配信(YouTubeみたいなもん)に切り替え、さらにオリジナルのドラマを作り始めたことで、一気に事業拡大。特にオリジナルドラマには定評があって、海外ドラマ好きの間では「大手ケーブルテレビ局制作よりもおもしろい!」とすでに評判なのよ~。その理由はCMを入れる必要がなく、暴力や性的シーンの規制もゆるめ。クリエイターにかけられる制約が少ないことで、作品至上主義を貫けるところにあるの。
テレビ業界を変えたオリジナルドラマの数々
Netflix制作で最もよく知られているのは「ハウス・オブ・カード 野望の階段」という、ケヴィン・スペイシー主演ドラマ。実はあれがエミー賞を得たことで、テレビドラマ業界を変えたと言われるほどなのよ。なんせTODのオリジナルドラマ史上初のエミー賞だもの。これが起爆剤になって、Netflixにとって最大の強みとなるオリジナルドラマをバンバン作るようになったのね。しかも制作費も制作陣も、そして物語性もハリウッド映画にひけをとらないクオリティをキープしてるの。
今回、日本上陸したNetflixのラインナップで特にパワフルなのは、マーベルコミック原作の「デアデビル」。マーベルっていったら「アベンジャーズ」シリーズでおなじみだけど、まさかのドラマでマーベルの世界を体験できちゃう。また、『マトリックス』のウォシャウスキー姉弟によるSF「センス8」や、今やエミー賞候補の常連になっている女子刑務所もの「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」は必見。
ちなみに日本ではオリジナルコンテンツとして「テラスハウス」新シリーズなども同時スタートしてローカライズもしてきたわ。ただねー、海外ドラマファンにはいいものの、巷の評判は賛否両論。Netflixのオリジナルドラマでも、未配信の作品が多数あるし。芥川賞受賞で話題の「火花」も独占制作・配信が決まってることだし、今後の作品充実に期待したいところね。
text : Masamichi Yoshihiro