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彼女が第86回アカデミー賞授賞式でも歌い、オスカーも受賞した『アナと雪の女王』主題曲「Let It Go」は、曲としても大ヒット。昨年あのビヨンセをチャートトップから引きずりおろしたのが、イディナが歌ったこの曲。世界中でカバーした動画が続々とアップされている。

(c)2014 Disney. All Rights Reserved.

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恵まれない環境と恵まれた才能で這い上がる

イディナほど、才能だけで這い上がってきたスターも珍しい。祖父母はロシア移民1世。10代のとき、敬虔なユダヤ教徒だった両親が離婚し、生活は決して豊かではなかった。15歳で生活するため、バーやバルミツバ(ユダヤ教の成人式)で歌って稼ぎ、ニューヨーク大の芸術学士を取得するために、勉強しながら仕事を続けた。そうして、その声で「レント」の大役を勝ち取ることができた。そんな苦労人であるにも関わらず、他人を蹴落とし、ときには実力以外のコネや血縁を使ってまで役を得ようとするのが当然の米国ショウビズ界で、「ビッグになることが脅威にならないか葛藤する」との発言はまさに驚き。人々を圧倒するのが当然な仕事なのに、それを望んでいなかったということなのか……。「ええ、そうよ。ただそれは私の頭のなかでのことで、他人のせいにするつもりはないの。でも、今の社会において、女性というものは、いつも他人のことを考え心配していて、実際に前に出て自分の思いを言わなければならないとき、自分自身をさらけ出すのはとても怖いことでもあるのよ」。
 
イディナの怖れにも近いその謙虚さは、彼女だからこそ歌えたと称賛される、2014年アカデミー賞主題歌賞受賞曲「Let It Go」について尋ねたときも変わらない。声優としての演技力も含め、素晴らしく、感動的だと称賛するとこう返ってきた。「『Let It Go』は決して簡単に歌える曲ではないわね(笑) 素晴らしい歌だし、これに取り組むことは楽しかったわ。とても演劇的でダイナミックで、私の持っているあらゆる声を使うことができる、とても音域の広い曲で、低音で始まって高音に上がるのよ。この曲が大好きよ。悲しさがあり、あのシーンにピッタリだわ。私には今でもボイス・ティーチャーがいて、20年ずっと同じ先生についているんだけれど、彼女のところへ行って『この曲を歌うには努力が必要だけど、まるで努力していないように歌いたい』と頼んで、スタジオに入って歌う前に、たくさん練習して、きちんと発声練習をこなさなければならなかったの。準備せずに臨むことはできない歌だもの(笑)」。

「『アナと雪の女王』:ミュージカル女優イディナ・メンゼルの謙遜と怖れ」トップへ
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    『アナと雪の女王(原題:Frozen)』

    Story
    触れるものを凍らせる“禁断の力”を持つ女王エルサは、両親の死後、その力を制御できず、あることがきっかけで真夏の王国だった自分の国を明けることのない真冬の王国に変えてしまったことで、罪悪感から雪山深くへ逃走する。妹のアナは姉と王国を救うため、危険な旅に出るが……。 

    声の出演(字幕版):クリステン・ベル(アナ)、イディナ・メンゼル(雪の女王/エルサ)、ジョナサン・グロフ(クリストフ)etc.,
    声の出演(日本版):松たか子(雪の女王/エルサ)、神田沙也加(アナ)etc.,
    配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン

    2014年3月14日(金) 2D・3Dロードショー
    http://ugc.disney.co.jp/blog/movie/category/anayuki
     

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