シャルロット・ゲンズブールが語る、映画女優という仕事
大ヒット作『最強のふたり』の監督コンビの新作『サンバ』に出演したシャルロット・ゲンズブール。燃え尽き症候群の元キャリアウーマンを演じたシャルロットに、仕事への向き合い方からファッションのこだわりまで、たっぷりインタビュー!
「燃え尽き症候群の人の気持ちはわかるわ」
―『サンバ』は、世界中でヒットした『最強のふたり』の監督エリック・トレダノ&オリヴィエ・ナカシュと主演のオマール・シーが再びタッグを組んだ作品ですね。
「まず、エリックから連絡がきて会ったのよ。オマールも出演するコメディがあるのだけれど、ぜひ私がコメディを演じるのを見てみたいと言われたの。実は、私もずいぶんコメディから遠ざかっていたから、願ったり叶ったりだと思ったわ。その後、脚本を読んで、絶対に出演すべきだと確信したの。準備の初期の段階から関わったから、キャラクターについて意見を言ったりしたわ。監督たちは、私の提案にいつも真剣に耳を傾けてくれた」
―普段、作品を選ぶ基準は?
「監督との出会いを楽しみにするようになってきたわ。監督やその仕事の仕方に魅せられることが大事だと思うの。脚本だけでは決めないわね」
―この『サンバ』に関しては?
「作品への関わり方がとにかく面白いと思ったの。早い時期から女優が企画に参加することはあまりないから刺激的だったわ。それにエリックとオリヴィエの演出は、即興をベースにしているの。一緒に何がベストかを探す、というスタイルね。カメラは回り続けているし、まるでエンドレスに続いていくように感じて、簡単じゃないけれど、私はこのやり方がとても気に入ったわ」
―あなたが演じたアリスは、燃え尽き症候群の元キャリアウーマンですね。自然体で生きているあなたとは正反対の女性に見えます。
「ビジネスウーマンという点では、共通点がないけれど、すっかり疲弊して、神経をすり減らして鬱っぽいところなんかは、私そのものとはいえないまでも、近しいものを感じるし、自己投影できる部分よ」
―女優として燃え尽きたことはありますか?
「女優を辞めようと思ったことはないわね。確かに、映画のプロモーション時期とかはハードで、その後にポカンと時間が空いてしまったりすると、ギャップを乗り越えるのが大変だったりする。すごく濃密に仕事をした後に、暇になると精神的に不安定になるものなの。だから、燃え尽きたことはないけれど、燃え尽き症候群の人の気持ちはわかるわ」
text : Atsuko Tatsuta
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『サンバ』
フランスのレストランで働く移民青年のサンバ(オマール・シー)は、ビザの失効で国外退去を命じられてしまう。助けを求めて訪れた移民支援協会で出会ったのは、燃え尽き症候群で大企業を休職中のボランティア女性アリス(シャルロット・ゲンズブール)。移民仲間のウィルソン(タハール・ラヒム)とともに、境遇も人種も異なる3人は次第に心を通わせ、それぞれの状況を好転させていく。
監督/エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ
出演/オマール・シー、シャルロット・ゲンズブール、タハール・ラヒム
配給/ギャガ
公式サイト/samba.gaga.ne.jp
2014年12月26日(金)~、TOHOシネマズ シャンテ、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
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