インタビュー
2017/12/21(木)

2017年大飛躍! 松岡茉優が初主演映画で魅せた新たな才能

芥川賞作家・綿矢りさの妄想力爆発のキュートな恋愛小説『勝手にふるえてろ』が大九明子監督によりついに映画化。“脳内片想い”と“リアル恋愛”の2人の彼氏の間で暴走する24歳OLが苦しみながら成長していく姿を描いたこの作品で、恋愛経験ゼロの夢見がちなオタク女子をコミカルに演じた松岡茉優。彼女がエル・オンラインに語った、“非壁ドン系主人公”との共通点とは?

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「ゾンビ映画だと思っているんです」

ー映画での初主演はいかがでしたか?

初主演!ということはあまり意識しなかったですね。今回の作品は出演者も多くなく、ストーリーもほぼ主人公・ヨシカの成長のみを追っていたので、ご覧いただく方にヨシカをどんな女の子だと思ってもらいたいか、この物語をどんな人たちに届けたいかに集中していました。大九明子監督とも話したのですが、日々の社会にもまれて生きづらさを感じている人に見てほしいという思いは、共通していましたね。

ー松岡さん自身は、生きづらいとか感じることありますか?

「生きやすい」と思ったことはありません。俳優という仕事についても、「社会の役に立っているのかな」なんて、つい考えてしまうこともあります。ですから今回のような、女の子の気持ちを楽にしてあげられるような作品に携われると、ホッとします。

ー10月の東京国際映画祭では、観客の方と一緒に作品をご覧になったそうですね。どんな反応でしたか?

ずっとウルウルしてる人、ずっと笑っている人など、反応が様々で面白かったです。ラスト近く、ヨシカが感情を必死に吐露する場面があるんですが、そこですら爆笑している方もいて。私は死に物狂いで演じていたので「えええっ!」と(笑)。でも同時に観客賞もいただけたので、いろいろな受け取り方をしていただくことをむやみに恐れることはないんだなと思いました。

ー松岡さん自身は、この映画をどんなふうにとらえていたんですか?

実は私は「ゾンビ映画」だと思っているんです(笑)。ヨシカは、高校以来ずっと片想いの「イチ」を脳内で理想化し続け、現実を生きていない「ゾンビ」のような存在。そこに会社の同僚「ニ」が現れ、戸惑いながら人間に戻っていくという。そういうヨシカ的な要素って、日常を平穏に送れないから隠しているだけで、どんな女性にもある、誰だって暴走したくなるときがあると思うんです。他人ごととして「いるいる!」と笑ってるのがいちばん楽しいし、自分がそうだと認めたくはないんですが(笑)。

Photo : Toshiki Hiraiwa  Styling : Ayako Nakai  Hair&Make : Miho Matsuda  Interview & Text: Shiho Atsumi

  • 『勝手にふるえてろ』

    恋愛経験のない主人公のOLが2つの恋に悩み暴走する様をコミカルに描いた本作。OLのヨシカ(松岡茉優)は同期の「ニ」(渡辺大知)からの突然の告白に「人生で初めて告られた!」とテンションがあがるが、「ニ」との関係にいまいち乗り切れず、中学時代から同級生の「イチ」(北村匠海)への思いをいまだに引きずり続けていた。一方的な脳内の片想いとリアルな恋愛の同時進行に、恋愛素人のヨシカは彼女なりに頭を悩ませていた。そして、「イチ」がやっぱり忘れられないヨシカは、ありえない嘘をついて同窓会を計画。やがてヨシカとイチの再会の日が訪れるが……。芥川賞作家・綿矢りさによる同名小説の映画化。2017年第30回東京国際映画祭のコンペティション部門に出品され、観客賞を受賞。 

    監督、脚本:大九明子
    出演:松岡茉優、渡辺大知(黒猫チェルシー)、石橋杏奈、北村匠海(DISH//)、古舘寛治、片桐はいり ほか
    2017年12月23日(祝・土)より、全国ロードショー
    http://furuetero-movie.com/ 

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