すべては４年前、イギリスBBCのテレビドラマ「SHERLOCK／シャーロック」から始まった。開始当時はほとんど注目されていなかったものの、抜群の脚本とスタイリッシュな演出、なにより主演のシャーロックを演じたベネディクト・カンバーバッチの圧倒的な演技で、ドラマはグローバルヒットを飛ばした。そして現在、ベネディクトは英国を代表するスターとして、映画にドラマに舞台に、大躍進を続けている。
　
来年3月に日本公開となる『イミテーション・ゲーム』で、天才数学者を演じたベネディクトは、先日ノミネートが発表された第72回ゴールデングローブ賞でドラマ部門の男優賞の候補に。来年のオスカーも確実視されている。さらに2015年の夏、このキャリアのピークに満を持してロンドンの舞台に立ち、あの名作「ハムレット」を演じる。11月には舞台演出家で女優のソフィー・ハンターとの婚約を発表し、話題となった。
　
そんな公私共に絶頂を迎えている彼の意外な一面を垣間見られるエピソードがある。現在、彼が抱えているとある悩み、それは何を隠そう“ファンとの距離感”だ。例えば、プライベート時にこっそりと携帯のカメラで撮影をされたときの対応に困っているという。
　
「『写真を撮ってもいいですか？』と聞いてくれる分には全然構わないんだ。携帯を掲げて口をあんぐりさせながらコソコソ追いかけてきておいて、僕が何をしているのかと尋ねると『なんのことですか？　別にあなたの写真なんか撮ってません』ととぼける。『じゃあ、あなたの携帯を見せてごらん』というと『嫌だ』と言うので、そこで大人気ないことに、『二度と僕の写真を撮らないでくれ』と言い放ってしまったことがあって……」
　
とはいっても、そこは謙虚な彼。
　
「言い放つといっても、頭のなかで、だよ。あくまで僕の頭のなかでだけ。もしくは小さくつぶやくくらい。写真を撮られても全く気にならないときもあるんだ。だけど、誰かと一緒にいるときにやられると、どうしても腹が立ってしまう。それで少し怒った顔を見せてしまって、あとで『しまった。僕はなんて最低な男なんだ』と落ち込んでしまうんだ」
　
このエピソードからも、彼の人柄の良さが充分に伝わってくる。UK版エルでは今回、ファッション撮影にもチャレンジ。メイキング動画でみせるチャーミングな笑顔と場をなごませる自然な立ち振る舞いにますます好感がもてる。
　
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