見せたかったのは私たちの素肌、涙、人間性
―一方で、レア・セドゥはレズビアンの知人たちにリサーチしたと聞きました。
アデル:それは(レア演じる)エマがレズビアンとして自分をすでに築いているキャラクターだったからよ。リサーチして豹科の動物のような仕草や、ボーイッシュな口調を身につける必要があった。私の場合は、どこにでもいる、すべての経験においてバージンの女の子という設定だったから、リサーチもなく、白紙の状態で臨むことができたの。
―原作本(「ブルーは熱い色」 DU BOOKS刊)の著者による、映画はストレートの男の妄想だとする批判が話題を呼びましたが。
アデル:原作者の批判は、レズビアンの関係を型にはまったイメージと比較して、相対的にノー!と叫んでいるけれど、それはとても危険で、非建設的だわ。「同性愛者だからこうである、こうではない」と考えるのは危ないわ。レズビアンの恋愛やセックスをストレートの男が描くこと自体、偏執的行為という批判も的外れだと思う。監督が見たかったのは、私たちの素肌であり、私たちの涙、そして私たちの中にある人間性だったから。その真実に近づくためなら、私たちは何だって試したわ。
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『アデル、ブルーは熱い色』
監督・脚本/アブデラティフ・ケシシュ
原作/ジュリー・マロ「Blue is the warmest color」
出演/レア・セドゥ、アデル・エグザルコプロス、サリム・ケシゥシュ、モナ・ヴァルラヴェン、ジェレミー・ラユルトほか
原題/LA VIE D’ ADELE CHAPITRES 1 ET 2/2013/フランス/フランス語/179分/
配給/コムストック・グループ
2014年4月5日(土)より、新宿バルト9、Bunkamuraル・シネマ、
ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー
2013年カンヌ国際映画祭パルムドール受賞・国際批評家連盟賞受賞
Text : Reiko Kubo