事件ファイル2
ジャスティン・ビーバーとセレーナ・ゴメスから見る復縁の条件
今年、ジャスティン・ビーバーとセレーナ・ゴメスのビッグな元サヤカップルが話題になりました。何度かデート写真がスクープされるなど、復縁の噂はあったものの、どうやら今回の復縁は本気なのでは?と噂されています.
一部報道では、セレーナの両親はまだ復縁を許してないだとか、カップルセラピーに通って真剣に将来を考え出しているとか、いろいろな話が飛び交っていますが、終わったと思っていた世界的なカップルがロマンスを再燃させたことにちょっと感動した人も多いのではないでしょうか。
女性も30歳前後になると、それなりの数の男性と出会いや別れを経験し、「元彼リスト」にも結構な人数が溜まってきます。新しい人と出会うたびに、「好き」の度合いが塗り替えられていた若い頃と違って、どうも、昔のあの彼の方が居心地が良かった、前の彼氏の方が優しかった、あの時のあの彼とちゃんと続けていれば、、なんていう邪念が頭をよぎる、そんな年齢でもあります。
一度別れた相手と復縁してゴールインした人はたくさんいますが、同じ相手と2回離婚したり、同一の男と別れたりくっついたりを繰り返し、やや不毛な関係に陥っている人も少なからず存在します。闇雲に、なんとなく元彼を掘り出してもロクなことにはならないのだとしたら、復縁に踏み切るポイントはなんなのでしょうか。
まず、思い出のなかの彼や、今現在周囲にいる男性と比較してしまう過去の彼というのは、9割方美化されているはずです。ちょっと性格がひねくれていますが、元彼に限っては、その人のいいところを探すのではなく、嫌いだったところ、嫌な事件、別れた原因を思い出して、再検証しなくては、同じ過ちを繰り返します。そのためにも、できれば若いときから、別れの場面ではお互いの悪いところについて不満をこれでもかとばかりにぶつけ合い、「ああ、もうこれは全くダメだ」という状態になってから離れる方がいいのではないでしょうか。
そうすると、その強烈な言い合いは結構記憶に残りますから、かつて絶望した相性の悪さが時間を置いて克服できる類のものなのか。自分が愛想を尽かした彼の欠点は、改善されているか、の判断がしやすくなります。
間違いを犯すことは全く悪いことではありません。ひとり部屋でじっとしているよりは、たくさんの男性と付き合い、喧嘩し、別れ、傷ついた方がいいに決まっています。しかし、人生の時間は有限ですから、少なくとも同じ間違いを犯すためだけに時間を費やすのは不毛です。最も同じことの繰り返しになりやすい「元サヤ」は、普段の恋愛以上に、超がつくほど慎重になった方がいい、と言えます。
Text: Suzumi Suzuki Photo: Getty Images, Aflo
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鈴木涼美/社会学者、作家。1983年東京都生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒。東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。記者として在籍した日本経済新聞社を退社後、執筆業を中心に活動。著書に『身体を売ったらサヨウナラ 夜のオネエサンの愛と幸福論』(幻冬舎)や『「AV女優」の社会学 なぜ彼女たちは饒舌に自らを語るのか』(青土社)、『愛と子宮に花束を』(幻冬舎)、『おじさんメモリアル』(扶桑社)など。最新の著書は今を生きる女性のお金の使い道や稼ぎ方について評した『オンナの値段』(講談社)。
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