その後のキャリアはどうなる? オトナ留学で得した人、損した人
2018/05/01(火)
> <

4/6

人間関係がうまくいくのか自信がない!

Q. せっかくだから現地の友達を増やしたい! 良好な人間関係を作る秘訣は?

A. 多国籍の交流には、ひとまず“受け入れる心”を持って

相手の文化や価値観を否定せず、一度受け入れてみることから始めてみてください。常に頭のどこかに「そういう考えもあるんだ」という言葉を置いておくと、多国籍の交流を育むことができるでしょう。そうすることで自分も多様なコミュニティに受け入れてもらえます。ただし、自分が気を付けたとしても、やはり気の合わない人が必ずいます。我慢して誰とでも仲良くする必要もありません。また、留学の成果としてよく耳にするのが「人に頼ることを覚えた」というもの。社会人女性は良くも悪くも自立していて、「自分で何とかしなければ」と思いがちですが、誰かを頼れば今度は頼ってもらえるもの。より深い人間関係を築くきっかけにもなるようです。

“得した人”の実態は?

「一期一会のご縁を大切にするとよいと思います。学校でできた友達と一緒にお祭りに行った際に偶然在外マルタ大使と知り合い、大使が来日した際に現職の上司に紹介する等大きな収穫がありました」(2)

「外国人はたくさん褒めてくれる反面、ずけずけ言ってくる人も多いので、私は声が小さく、無口なのをいろいろと言われました。最初はイヤでしたが、開き直って『これが私の性格なの!』と突き通せば、『あなたはそういう人なのね~面白いわ』と途中から認めてくれたりもしました。とにかくひとつひとつ気にしないこと。日本の自分を捨てる。アクティブになって、話しかけられたら笑顔で返す、誘われたらとりあえず行ってみるなど、ノリのよさが重要な気がしました。夜もよく友だちの家に遊びに行ったり、ホームパーティにたくさん参加したりしました。日本にいるときの10倍くらいの行動力で過ごしていて、たくさんの素敵な出会いがありました」(5)

「英語がそこまでできなかったのでアメリカ人の友人がなかなかできませんでした。みんなで楽しめる趣味(スポーツや音楽など)があるとよかったかもしれません」(7)

「お互いの文化を尊重する姿勢を大切にしました。分からない事は遠慮せずに聞く。自分の価値観・尺度を相手に求めない(大体は同じ感覚ですが)」(9)

“損した人”はどんな人?⇒自己主張せずに、周囲に合わせすぎてしまう人

とにかく外に出て行くこと。せっかく留学したのに日本人で固まったり、学校の交友関係で閉じていたりするのはもったいない! 一方で「嫌なことは嫌」ということも大切。ルームシェアをするような近しい関係だと、日本人的な大人しい性格が災いして、言いたいことも言えずにフラストレーションを溜めてしまう人も多いのです。

「南米系の若い留学生とルームシェアしていたときのことです。彼女たち、性格はよいのですが、とにかく奔放で……。部屋は散らかりっぱなしだし、しょっちゅう夜中までパーティーしているしで、穏やかに生活できませんでした。部屋の掃除なども私ばかりがやることに。あるとき耐えきれずに注意したら『いつもやってくれるから、それでいいと思っちゃった♡』だって。そんなわけないでしょ!」

「白人と日本人の体感温度はかなり違う気がします。冬に暖房をつけていたら大家さんからよく文句を言われました。同じ家に住んでいるニュージーランド人は全然寒くないそうで、言い出しづらかったです」

Photo: Getty Images   Realization & Text: Tomoko Hachiya

  • Adviser
    「女子Ryu」  編集長 若松千枝加さん
    女性向けの最新留学情報を掲載するウェブマガジン 「女子Ryu」。留学プラン掲載数は千以上。http://www.joshiryu.com

  • 留学で“得した”体験を提供してくれた人は……

    1.ビデオグラファー&ビデオエディター(30歳)。29歳から30歳の間に8カ月間アメリカのロサンゼルスに留学。留学前は海外情報を扱うことが必須の映像制作会社に勤めていたにもかかわらず、英語が喋れないのがコンプレックスだったが、留学で克服! 仕事の幅も広がった。

    2.会社員(29歳)。28歳の3週間のマルタ島留学。現地で交友関係を広げてマルタ大使とも知り合いに。そのコネクションを日本で勤務する会社の上司にも紹介できるほどになった。

    3.食品輸入商社勤務(29歳)。27〜28歳のときにフランスのリヨンに約1年間留学。語学学校終了後、有期雇用で働いていた現地企業の縁で現在日本で勤務する企業に就職。日常的にフランス語を使うポジションで学びを活かす。

    4.海外ブランドPR (41歳)。30歳から31歳の間に、アメリカ ニューヨークに10カ月留学。帰国してからは同じ仕事に従事しているが、留学前とは違い、日常的に本国とやりとりをするポジションへとステップアップしている。

    5.ビューティエディター(34歳)。 26歳から27歳までニューヨークに留学。留学前にやっていたモデルの仕事に違和感を持ち、キャリアを考え直すために留学を決意。現在は留学中に書いていたブログが認められ、エディターにキャリアチェンジ。

    6.クリエイティブエージェンシー勤務(32歳)。19歳(3カ月) 21歳(3カ月)でニューヨークに留学。大学時代にニューヨークのモデルエージェンシーとPRエージェンシーでインターンを経験。帰国後日本の大学を卒業し、新卒でニューヨークの広告会社に就職。現在勤続6年目。

    7.ITコンサルタント(48歳)。 27から29歳までアメリカに2年間留学。 留学前は、金融機関の総合職勤務だったのが、留学を経てアメリカの企業でコンサルタントにキャリアチェンジ。

    8.会社員(40歳)。 27歳のときにオーストラリア、アメリカに合計6カ月留学。 勤務していた企業からの補助金があったため、支出を抑えられた。現在のキャリアは留学前と変わらずだが、業務に必要な英語力をブラッシュアップできた。

    9.現在留学中(31歳)。2017年の夏からデンマークに留学し、現在はインターンとして現地企業で勤務。語学の習得とともに、仕事に関連するギャラリーをめぐったり街をすみずみまで歩き回ったり、積極的にカルチャーを吸収中。

    10.留学補佐(39歳)。24歳から25歳までオーストラリアにてワーキングホリデーで滞在。留学前は出版社に勤務し、オーストラリアでは飲食系のアルバイトを経験。その後現地で出会った人と結婚し出産。家族で各国を転々としたが、最近ニュージーランドで留学補佐の仕事を始める。

SHARE THIS ARTICLES

前の記事へ特集一覧へ次の記事へ

CONNECT WITH ELLE

エル・メール(無料)

メールアドレスを入力してください

ご登録ありがとうございました。

ELLE CLUB

ようこそゲストさん

ELLE CLUB

ようこそゲストさん
ログアウト