留学によるキャリアの中断が不安!
Q. 今から留学するには仕事を辞めなければなりません。そこまでして、本当にキャリアアップできるのか、不安!
A.自分のタイプを分析して、それに見合った活動の幅を広げて
留学をキャリアにつなげたい人には、大きく分けて3つのタイプがあります。キャリアアップしたいタイプ、キャリアチェンジしたいタイプ、そして留学を通じて一度考える時間を持ちたいタイプです。明確なビジョンがある「キャリアアップ」「キャリアチェンジ」タイプならばそのための資格取得やインターンなど直接的に役立ちそうな学びを積むほか、現地でしか経験できないことを幅広く模索するべきです。一方、「考えたい」タイプは現地での行動量を多くするほか、遭遇した“偶然”を躊躇なく受け入れていく姿勢が転機をもたらします。人生は長いもの。今ある仕事を辞めて海外に飛び出すことは大きな決断ですが、長い人生のうちのしばしの時間を自分への投資に使うことは、女性の一生に大きなリターンをもたらすはずです。
“得した人”の実態は?
「留学前はファッション系の映像制作会社に勤めていたのですが、外国人へのインタビューや海外出張などの華やかな仕事は、英語ができないために任せてもらえませんでした。留学後はフリーのビデオグラファーとして活動。ロンドン出張や、外国人セレブへのインタビューの仕事が増えるなど、仕事の幅が広がりました」(1)
「現地での語学学校を経て、有期雇用で働いていた現地法人の会社の紹介で現職の会社と出会い、帰国後に入社。ブラッシュアップした語学は、フランス企業とのコミュニケーションが必要な現職に活かしています」(3)
「留学前と同企業・職種に戻りましたが、デイリーで本社とのやり取りを行うポジションになりました」(4)
“損した人”はこんな人⇒柔軟性に欠ける、頑固な人
キャリアアップのために勉強に一生懸命になるのはよいのですが、それ以外のことをシャットアウトしてしまうと「語学は上達したけれど、期待していたほどキャリアアップにつながらなかった」ということにも。現地のコネクションをつくったり、カルチャーを吸収したりすることにも時間を使いましょう。
「日本でしっかりと準備して行っただけに、語学学校では成績優秀。そのことにプライドを持っていましたが、クラスメイトには近寄りがたくうつったみたい。結局仲のよい友達ができずに終わってしまいました」
「インターンシップで働いていたときに、あまり人を頼らずに仕事をこなしていたら『あなたは何を考えているのか分からない』と言われてしまったことが。以降は周囲と積極的にコミュニケーションをとるようにして、仕事の評価もアップ!」
Photo: Getty Images Realization & Text: Tomoko Hachiya
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Adviser
「女子Ryu」 編集長 若松千枝加さん
女性向けの最新留学情報を掲載するウェブマガジン 「女子Ryu」。留学プラン掲載数は千以上。http://www.joshiryu.com
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留学で“得した”体験を提供してくれた人は……
1.ビデオグラファー&ビデオエディター(30歳)。29歳から30歳の間に8カ月間アメリカのロサンゼルスに留学。留学前は海外情報を扱うことが必須の映像制作会社に勤めていたにもかかわらず、英語が喋れないのがコンプレックスだったが、留学で克服! 仕事の幅も広がった。
2.会社員(29歳)。28歳の3週間のマルタ島留学。現地で交友関係を広げてマルタ大使とも知り合いに。そのコネクションを日本で勤務する会社の上司にも紹介できるほどになった。
3.食品輸入商社勤務(29歳)。27〜28歳のときにフランスのリヨンに約1年間留学。語学学校終了後、有期雇用で働いていた現地企業の縁で現在日本で勤務する企業に就職。日常的にフランス語を使うポジションで学びを活かす。
4.海外ブランドPR (41歳)。30歳から31歳の間に、アメリカ ニューヨークに10カ月留学。帰国してからは同じ仕事に従事しているが、留学前とは違い、日常的に本国とやりとりをするポジションへとステップアップしている。
5.ビューティエディター(34歳)。 26歳から27歳までニューヨークに留学。留学前にやっていたモデルの仕事に違和感を持ち、キャリアを考え直すために留学を決意。現在は留学中に書いていたブログが認められ、エディターにキャリアチェンジ。
6.クリエイティブエージェンシー勤務(32歳)。19歳(3カ月) 21歳(3カ月)でニューヨークに留学。大学時代にニューヨークのモデルエージェンシーとPRエージェンシーでインターンを経験。帰国後日本の大学を卒業し、新卒でニューヨークの広告会社に就職。現在勤続6年目。
7.ITコンサルタント(48歳)。 27から29歳までアメリカに2年間留学。 留学前は、金融機関の総合職勤務だったのが、留学を経てアメリカの企業でコンサルタントにキャリアチェンジ。
8.会社員(40歳)。 27歳のときにオーストラリア、アメリカに合計6カ月留学。 勤務していた企業からの補助金があったため、支出を抑えられた。現在のキャリアは留学前と変わらずだが、業務に必要な英語力をブラッシュアップできた。
9.現在留学中(31歳)。2017年の夏からデンマークに留学し、現在はインターンとして現地企業で勤務。語学の習得とともに、仕事に関連するギャラリーをめぐったり街をすみずみまで歩き回ったり、積極的にカルチャーを吸収中。
10.留学補佐(39歳)。24歳から25歳までオーストラリアにてワーキングホリデーで滞在。留学前は出版社に勤務し、オーストラリアでは飲食系のアルバイトを経験。その後現地で出会った人と結婚し出産。家族で各国を転々としたが、最近ニュージーランドで留学補佐の仕事を始める。