新旧パリを称賛する極上コメディ
『ミッドナイト・イン・パリ』
アメリカ人にとってもパリは夢の都市。とくに1920年代のパリは、芸術家たちにとって理想郷だった。ピカソ、ダリといった画家、写真家マン・レイ、画家で映画監督でもあったジャン・コクトー……。そして作家アーネスト・ヘミングウェイやスコット・フィッツジェラルドなど、禁酒法により窮屈になった自国を抜け出しアメリカ人もパリにやってきた。そんな1920年代のパリに憧れた監督ウディ・アレンがホームタウンであるNYを離れ、パリで撮ったのが『ミッドナイト・イン・パリ』だ。ハリウッドの脚本家で初の小説執筆に取り組んでいるギルは、婚約者のイネズと彼女の両親とともにパリに休暇でやってきた。そんなギルが、真夜中に酔ってひとりパリの街を歩いていると、車が止まり、彼を招き入れた……。
パリに憧れるギルが、1920年代のパリへタイムスリップし、文化人たちと出会うというファンタジックな物語。カメラが映し出すパリの名所の数々も楽しいが、古き良き時代のパリの風景も魅力的に描かれている。新旧のパリを称賛する極上のコメディ。
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『ミッドナイト・イン・パリ』
2011年
DVD ¥3,990 発売中
監督/ウディ・アレン
出演/キャシー・ベイツ、エイドリアン・ブロディ、カーラ・ブルーニ
発売・販売元/角川書店
問い合わせ先/角川書店
http://www.kadokawa-pictures.jp/
text : Atsuko Tatsuta