2016年アカデミー賞、ぶっちゃけ座談会
いよいよ日本時間2月29日(月)に迫った第88回アカデミー賞授賞式。発表を目前にして、事情通の映画ライター3名が今年のオスカーにまつわるあれこれを語り尽くす覆面座談会を実施。注目作から受賞予想、オスカーの裏事情まで、匿名だけに本音でぶっちゃけます! 授賞式当日は、恒例の「エル・オンライン」エディターによる授賞式実況ツイートもお見逃しなく。
ノミネートを逃したあれこれ
C:主要部門を逃した『スター・ウォーズ~』以外に、ノミネートを逃した筆頭といえば、『オデッセイ』で監督賞にノミネートされなかったリドリー・スコットでしょうね。もう78歳ですよ。このあとオスカーを獲れそうな作品を撮らなさそう。
B:リドリーは身内に不幸もあったけど、そんな浪花節じゃオスカーは獲れないと……。
A:『オデッセイ』は日本でも大ヒット中だけど、アメリカ万歳映画。リドリーがスタジオの要求で撮ったところもあるから、これでオスカーをあげちゃうと本人が撮りたかった作品じゃないからかわいそう、っていう事情もありそう。あとは『キャロル』も、ケイト・ブランシェットの主演女優賞とルーニー・マーラの助演女優賞以外は、主要部門はスルーされてます。エディ・レッドメインが主演男優賞、アリシア・ヴィキャンデルが助演女優賞にノミネートされた 『リリーのすべて』のトム・フーパーが監督賞に入らなかったのもびっくり。
B:作品は観てないけど、ウィル・スミスもノミネートを逃しましたよね。
A:スミスは入れるべきだった。『Concussion(原題)』でNFL選手の脳しんとう問題を告発する医師を演じていて、すごくいい話だし。
B:彼はなぜ入らなかったんでしょう?
A:これも『スター・ウォーズ~』のせい、つまり上映時期の問題だとしか思ってなくて。黒人映画をスルーしたかというとそうじゃなくて、会員が票を入れるタイミングが割れて、結果的に白人ばかりになっちゃったんだと思う。今回話題になってる“白人多すぎ問題”に関しては、イアン・マッケランが最高のコメントをしてて。
B:「僕はストレートを演じているゲイなのに、一度もオスカーをもらえてない」って、最高でしたよね。マッケランにあげるべき(笑)。 “白人多すぎ問題”で、アカデミー協会は会員構成を変えると発表してたけど、どうやって変えるんでしょう?
A:女性と、白人以外の会員を増やすしかないですよね。個人的には、“作品を観ないで投票してる会員”を排除するべきだと思うけど。
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映画ライターA:今年のノミネートではエディ・レッドメイン主演『リリーのすべて』がNo.1。監督のトム・フーパーが監督賞ノミネートを逃したのにびっくり。
映画ライターB:子役のジェイコブ・トレンブレイがかわいい『ルーム』がいちおし。マイケル・ファスベンダー好き。
映画ライターC:オスカーを追いかけること十数年。データ関係ならお任せ。ノミネート作品のなかでは、孤高の男が家族の絆を求めていたという“いいエピソード”を描いた『スティーブ・ジョブズ』がお気に入り。