ブルボンヌ&よしひろまさみちの、オスカーぶった斬り対談!
現地時間2月22日(日)に授賞式が迫った第87回アカデミー賞。映画と女優に一家言ありの女装パフォーマー・ブルボンヌさんと、映画ライターのよしひろまさみちさんが、今年のオスカーをぶった斬り!
イーストウッドはおじさんたちの頼みの綱?
B:それ以外だと、今ごろ『グランド・ブダペスト・ホテル』とか入ってるのよね。日本でもうDVDも出てる作品がノミネートされるのって珍しいわよねぇ。
Y:滅多にないわ。それも今年は目玉がない証拠なの。賞狙いの作品って11月~12月のオスカー投票の時期に公開されることが多くて、映画会社も出来がいいものは年末にどんどん公開するのね。そうすると賞に引っかかるから。『グランド~』はアメリカでは去年の3月の公開作よ。『6才のボク~』もいい映画なんだけど、今年だから注目されたっていうのもある。もし去年だったら埋もれてたと思うわ~。
あとクリント・イーストウッド監督の『アメリカン・スナイパー』はオスカーでいきなり候補入りしてきたわ。これ、イーストウッドで実話ベースってだけで、ゴールデン・グローブ賞以前の前哨戦では完全スルーされてたの。最近になってバカバカ受賞歴作ってるけど。しかもイーストウッドって、ようやく離婚が成立したと思ったらもう新しい恋人と付き合ってるのよ。「どんだけ現役なの?」って感じよね(笑)。
B:アメリカのおじさんの頼みの綱なんじゃな~い? 「イーストウッドだけは映画をちゃんと守ってくれてる!」みたいな。アカデミー会員のオッサンたちが支えてくれてるんじゃないの。
Y:映画もマッチョすぎるのよね~。主演のブラッドレイ・クーパーもオスカーでいきなり主演男優賞にノミネートされたけど、すごい体重増やしてるの。ゲイ受けしそうな感じ。
B:お尻パンパ~ン! びっくりするわ~、このホットパンツ。アカデミー会員のゲイの心を掴んでそうだわ。ゲイは軍服にも弱いのよね。アタシはこんな男たちの慰問に歌いに行きたいわ~、ベット・ミドラーばりに!
Y:あ、米軍慰問映画の『フォー・ザ・ボーイズ』ね(笑)。その他の候補だと、『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』と『博士と彼女のセオリー』はどっちも実話ベースなんだけど、作品としてはちょっと弱いのよね。どちらかというと、キャラが立ってるから俳優賞のほうでいけそうな感じ。
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ブルボンヌ(写真右)/女装パフォーマー・ライター。切れ味鋭い独特の語り口で、『オレンジページ』『シティリビング』『ケトル』などで連載中。NHKラジオ第1『午後のまりやーじゅ』木曜パーソナリティーを担当するほか、Eテレ『ハートネットTV』、NHK総合『週刊ニュース深読み』『探検バクモン “性”をめぐる大冒険』などに出演。新宿2丁目のMIXバー「Campy! bar」プロデュースも手掛ける。
よしひろまさみち(写真左)/映画ライター。「エル・オンライン」『エル・ジャポン』をはじめ『Sweet』『SPA!』など多数の雑誌で執筆。日テレ系『スッキリ!!』で月一度のおすすめ映画紹介のほか、テレビ、ラジオなどにも出演。