「恋人のおいしいところだけが欲しいんです!」――“踏み込まない男性”に萌える「逃げ恥」世代の恋愛スタンス
“くすぶり男子”“ノマドセックス女子”などの名キャッチを生み出し、タレント批評から差別問題まで硬軟織り交ぜたコラムで編集業界に旋風を巻き起こしている編集者・ライターの福田フクスケさん。脚本家や演出家まで必ずチェックするドラママニアでもある福田さんが、旬のTVドラマに見る男女関係を考察する連載がスタート。初回は2016年最大の成功を収めたTBS「逃げるは恥だが役に立つ」を読み解く。
ファンの心を抉る“2大萌え”
今年もっとも話題のドラマになったといっても過言ではない「逃げるは恥だが役に立つ」。
星野源が歌う主題歌に合わせて踊る、「恋ダンス」を今まさに、忘年会の余興に向けて猛練習している人も少なくないはず。
このドラマは、派遣切りに遭って無職になった森山みくり(新垣結衣)が、家事代行業の雇い主として出会った津崎平匡(星野源)とビジネスライクな“契約結婚”を締結。2人の間に徐々に恋心が芽生えていくのが見どころ。
恋愛にオクテで感情をなかなか表に出さない平匡の無自覚ツンデレっぷりと、持ち前の妄想&分析グセで彼を手なづけようとロジックで詰め寄るみくりの隠れ肉食っぷり。この“2大萌え要素”が、性別問わず多くの視聴者を惹き付けてやまないところ。
中でも、視聴者の間に吹き荒れている“平匡さん萌え”の嵐は、2016年ならではの特筆すべき現象といえる。なぜなら、このテの男性キャラを、ここまではっきりと肯定的に“萌えの対象”として主役に描いたドラマは、これまであまりなかったから。
Text : Fukusuke Fukuda
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フリーライター・編集者。「男の自意識」を分析したジェンダー論を華麗に差し込みつつ、幅広いカルチャーを斜めから分析したコラムでオンライン上でまたたくまに人気を得る。雑誌『週刊SPA!』『GetNavi』、webメディア「SOLO」「マイナビニュース」などで執筆中。
Twitter @f_fukusuke -
「逃げるは恥だが役に立つ」(TBS)
派遣切りに遭った森山みくり(新垣結衣)は、ひょんなことから津崎平匡(星野源)と契約結婚をすることに。この契約は、雇用主として平匡がみくりに月給を払い、みくりが被雇用者として専業主婦になるというもの。2016年最大のヒットドラマとなっている、結婚と仕事の現実を斬る痛快コメディ!
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