文化人が選ぶ! 2015年のMYベスト映画【大根仁さん編】
映画好きなエル読者の投票により、その年のベスト映画を決める「ELLEシネマ大賞2015」がいよいよ今年から開催! 読者投票に先駆けて、各界で活躍する文化人、著名人が2015年のベスト映画を選出。『モテキ』など話題作を次々と手掛け、今年は『バクマン。』が大ヒット中の映画監督、大根仁さんが選んだベスト映画2本をお届け!
大根仁さんのBEST2
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
文句なしの今年ナンバー1映画。ファンとして30年待ち続けたとか、あの大傑作パート2を越えてきたとか、色々あるけれど、いちばん痺れたのはシャーリーズ・セロン演じるフュリオサ、つまり女性を主人公にしたことです。観ていて何度も涙が出たのですが、フュリオサとマックスの関係は21世紀における男女関係の理想というか、恐らく酷いことになっていくであろう近未来のフェミニズムの在り方まで提言していたと思います。最高だったのは、フュリオサが担ぐライフルにマックスが肩を貸したところ。あれぞ、バカな男たちがメチャクチャにした世界を女性たちがタフに生きていく姿ではなかろうか? 「基本、何も期待していないけど、必要なときは肩くらい借りるわよ」と。まさかマッドマックスでフェミニズムについて考えさせられるとは思わなかった。とにかく男は全員バカで、女たちは皆最高にカッコ良かった。
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大根仁/1968年、東京都出身。映画監督、演出家。「モテキ」「湯けむりスナイパー」などのTVドラマで手腕を発揮し、『モテキ』で映画監督デビュー。『恋の渦』『バクマン。』などの話題作を手掛けるほか、舞台演出やミュージックビデオ監督、コラム執筆など幅広く活躍中。音楽やサブカルチャーに造詣が深い。ドキュメンタリー映画『DENKI GROOVE THE MOVIE? 石野卓球とピエール瀧』が12月26日(土)公開。
http://www.crescendo.co.jp/creators/one.html