特集 2018/5/30(水)
WOMEN IN MOTION ①

女性が輝くために映画界のセレブが立ち上がる!

是枝裕和監督『万引き家族』が見事パルム・ドールを獲得し、今年も華々しく閉幕したカンヌ国際映画祭。本映画祭期間中、女優や女性監督などセレブリティが映画界の女性の地位や権利向上を目指し、議論や意見交換するプロジェクトが行われている。そうそうたるセレブが参加する「Women in Motion」とは?

2017年に「Women in Motion」アワードを受賞したフランス女優、イザベル・ユペール。

映画界の女性を支援するWomen in Motion

「Women in Motion」がスタートしたのは、2015年の第68回カンヌ国際映画祭。映画祭の公式スポンサーで、グッチやサンローラン、ボッテガ・ヴェネタなどのラグジュアリーブランドを擁し、長年女性の権利向上をミッションとしてきたケリングがカンヌ映画祭と協同して始めたプロジェクト。
今でこそ#me tooムーブメントが一般的に認知されるものとして、女性が理不尽な雇用形態やパワハラ、セクハラ、モラハラに対して声をあげ始めているが、これまで映画界でどんなに有名で活躍するセレブリティでも、“女性”というだけで過小評価され、不当な立場に甘んじてきた。そんな現状をふまえ、カメラの前でも後ろでも映画に関わる女性の役割にスポットライトを当て、映画界の女性の権利を向上させる議論を行うのが目的だ。

左/今年「Women in Motion」アワードを受賞したのは、『ワンダーウーマン』でスーパーヒロインを生み出したパティ・ジェンキンス監督。上右/2017年のトークイベントに登壇したダイアン・クルーガーは同年映画祭で女優賞を獲得。下右/監督やプロデューサーとしても活動するオスカー女優、ジョディ・フォスターは、2016年のトークイベントに登壇。

そうそうたるセレブが参加するムーブメント

2015年からの4年間、ジェーン・フォンダ、サルマ・ハエック=ピノー、アニエス・ヴァルダ、スーザン・サランドン、ジョディ・フォスター、クロエ・セヴィニー、イザベル・ユペール、ロビン・ライト、ダイアン・クルーガー、キャリー・マリガンなど誰もが知る女優や監督たちが参加してきた「Women in Motion」。
映画界への女性の貢献を称える「Women in Motion」アワードやヤング・タレント・アワードの授賞式を兼ねた、映画祭総代表や審査員も出席する公式ディナーのほか、女優や監督がスピーカーとして登壇し、自らの経験から映画界の問題点を提起するトークイベントが、華やかな映画祭の裏で連日繰り広げられている。

このプロジェクトを牽引するのは、ケリングの会長兼CEOのフランソワ=アンリ・ピノー氏と、妻で女優、プロデューサーのサルマ・ハエック=ピノー。

プロジェクトをサポートするのはケリング

今年でカンヌ映画祭は71回を終えたことになるが、この長い歴史のなかで女性監督がパルム・ドールを獲得したのはたったの1回、『ピアノ・レッスン』(1993年)で受賞したジェーン・カンピオン監督のみ。この10年ほど、興行収入の上位100位内に入るハリウッド映画で、女性監督の占める割合は4.2%。
伝説的な映画の復元や保存、プロジェクトの支援など映画の振興に力を入れてきたケリングは、2009年よりケリング財団をとおして女性に対する暴力根絶を目指すなど、女性が才能を伸ばし、豊かに自由に仕事や人生を彩るための権利、地位向上をサポートしている。この「Women in Motion」が大きな一歩へとつながることを願って!

  • ※この記事は短期連載となり、第3回まで続きます。

SHARE THIS ARTICLES

前の記事へ特集一覧へ次の記事へ

CONNECT WITH ELLE

エル・メール(無料)

メールアドレスを入力してください

ご登録ありがとうございました。

ELLE CLUB

ようこそゲストさん

ELLE CLUB

ようこそゲストさん
ログアウト