特集
2015/10/28(水)
ワークガールに捧ぐ!

キャリアお悩み相談室【Vol.1/『AERA』編集長・浜田敬子さん】

ワークガールにとって仕事に関するお悩みは尽きないもの。6月に開催された働く女性のためのイベント「エル・ウーマン・イン・ソサエティ」に登壇した『AERA』編集長の浜田敬子さんが、読者のリアルな声に回答。女性ならではの働き方やキャリアアップの悩みにズバリお答えします!

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男性のやり方を安易にマネしないこと

お悩み3
男性間の阿吽のコミュニケーションや人間関係構築力が、昇進の暗黙のルールになっていて不利だなと思います。また男性は、ときに威圧的に力でメンバーを制圧して、プロジェクトの結果を出すことも。けれど女性が同じことをしてもまったく評価されず、むしろ感情的とみなされ減点されたりします。
 
浜田さんの回答
企業で生きる男性というのは、知らず知らずのうちに社内のお作法というものを身につけているものです。たとえば、あなたが「この仕事の進め方はおかしいな」とか「このプロジェクトを進めても結果は出ないな」と感じるとき、女性はわりと直接的にそのことを言葉にしますよね。会議の席などで口に出したり、直接社長など経営層に訴えたり。なぜかというと、会社や組織にとって不利益なことなのだから一刻でも早くストップするほうが正しいと思うからです。
 
ですが、男性はそうしない人が多い。もともとの提案者の顔を潰さないとか、自分が言うよりも誰が言ったほうが実効力を持つかということをまず考えるからです。 私も管理職になりたてのころ、この男性の言動がまったく理解できず、その行動様式を「なあなあで嫌だなあ」と感じ、自分のやり方で突っ走っていました。でも、結果的には上司と衝突したり、社内で無駄な軋轢を生んだりして、自分が望む結果が遠のいてしまうこともありました。
 
なので、結果を出すにはどちらのやり方がいいかケースバイケースで判断するようになりました。ただ、個人的にはこうした男性中心社会のお作法がいいと思っているわけではありません。今は過渡期。女性が企業や組織に増えることで、こうしたやり方が変わっていけばいいなあと思います。
 
威圧的な態度も、よくわかります。でも、これも徐々に周囲の目は変わってきていませんか? 今の20代、30代前半の部下世代はこうした高圧的な上司のやり方に辟易しているのでは、と思っています。気を付けたいのは、自分が管理職になったときに男性のやり方でないと評価されないと思って、安易にマネてしまうことです。私自身、管理職をやっているとときどき、あれだけ嫌悪していた威圧的な言動に近い態度をとってしまっていることに気づき、猛省しています。

  • 浜田敬子さん/『AERA』編集長
    1989年朝日新聞社入社、前橋、仙台支局や『週刊朝日』編集部を経て'99年から『AERA』編集部。女性の生き方や雇用問題などを取材、2004年から同副編集長。2013年に同編集長代理、2014年4月から現職。一児の母。テレビ朝日「モーニングショー」の火曜日レギュラーコメンテーターなども務める。

photo : Getty Images

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