6.入社半年で産休・育休を取得した人がいない
メンバーシップ型雇用のブラック企業かどうかは、女性管理職の比率だったり、男性管理職の育児休暇取得率、子どもがいる管理職が多いかどうかを調べれば明らかです。最近は女性管理職の割合などの企業ランキングも出てきていますので、参考にするといいでしょう。あとはいろいろな認証が出てきています。ひとつは「くるみんマーク」。女性の出産・育休後の復職率などが高くないともらえない認定マークです。「イクボス認定企業」というのもあります。男女関係なく育児をする部下をきちんと育成すると宣言しないともらえない指標です。男性の育児休業取得まで推進しようとして初めてもらえます。
今は多様性を認めないといい人が雇えなくなっているので、こういった動きが出ています。また、入社直後に産休を取ることも問題ない、といったケースも出てきています。これまでは明らかに忌避されるケースでしたが、今ではそれでもやる気のある優秀な人材がほしい。入社後即戦力にならなくても雇いたい人を雇うんだという姿勢は、企業力ときちんとしたビジネスモデルをもっていないととれないので、入社直後に産休・育休を取った人がいるかいないかも、利益率が高い余裕のある優良企業を見つけるひとつの有効な指標となるでしょう。今いちばんいい例は「メルカリ」じゃないでしょうか。薄利でやっている企業は(人材が集まらず)今後生き残りが難しくなるのではないかと思います。
Supervisor: Ryo Nitta
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Illustration: Makomo
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新田龍(にった・りょう)
1976年奈良県生まれ。早稲田大学政治経済学部経済学科卒。働き方改革総合研究所株式会社代表取締役、厚生労働省「イクメンプロジェクト」推進委員、ブラック企業アナリスト。複数のブラック企業での経験から、契約違反や不当要求など法律では裁ききれない企業の違法行為を司法やマスメディアと協同し解決に導くなど活動する傍ら、企業側の脱・ブラック化のためコンサルティングも手掛ける。「週刊ニュース深読み」(NHK)、「さんまのホンマでっか⁉TV」(フジ)などメディア出演ほか、『ワタミの失敗』(KADOKAWA)、『30代で必ずはじめること、やめること』『「伸びる社員」と「ダメ社員」の習慣』(明日香出版社)など著書多数。