4. 社内結婚からの寿退社が多い
3.でもお伝えした通り、ブラック企業はマネージメントで楽をしたがります。女性にチャンスを与えると、結婚や出産がリスクになるので、最初から女性には責任ある仕事を与えず、給料も上げず、最終的に男性社員が効率よく働くため専業主婦になってもらうといった意図をもって採用することもあるくらいです。そのため社内恋愛、社内結婚が多いです。このような企業は女性社員に“キレイどころ”が多い傾向もあります。しかし、これはバブル期型システム。経済が上り調子なら男女役割分業をしてマネージメントを楽にしたほうが成長します。女性も出世はできなくても給料が上がりますし、結婚後に自分の収入は無くなっても旦那さんの給料があがっていくので不満もない。
ですがバブル崩壊の1992年から初任給の額がほぼ変わっていない経済状態では、女性も重要な労働者であり、そうも言っていられなくなりました。ところが現在でもこういう企業は存在します。そういった企業ではまず女性の責任能力は無駄になるので、就職しないほうがよいでしょう。ですが、ブラック企業は男女差別があるからこそ、「女性はラクで定時で帰れるよ」と言ってくるので、それがいいという女性には「女性が働きやすい会社」になってしまいます。自分がどんなキャリアを積みたいのか。自分の価値観によって判断する必要があります。
Supervisor: Ryo Nitta
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Illustration: Makomo
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新田龍(にった・りょう)
1976年奈良県生まれ。早稲田大学政治経済学部経済学科卒。働き方改革総合研究所株式会社代表取締役、厚生労働省「イクメンプロジェクト」推進委員、ブラック企業アナリスト。複数のブラック企業での経験から、契約違反や不当要求など法律では裁ききれない企業の違法行為を司法やマスメディアと協同し解決に導くなど活動する傍ら、企業側の脱・ブラック化のためコンサルティングも手掛ける。「週刊ニュース深読み」(NHK)、「さんまのホンマでっか⁉TV」(フジ)などメディア出演ほか、『ワタミの失敗』(KADOKAWA)、『30代で必ずはじめること、やめること』『「伸びる社員」と「ダメ社員」の習慣』(明日香出版社)など著書多数。