10.「これ言うとセクハラ(パラハラ)になっちゃうかな~」などと上司と談笑することがある
これを言っている時点で、立派なセクハラ・パワハラです。意識して言っている時点で完全にダメです。その会社には管理職のセクハラ・パワハラ研修がないことが判明しています。そしてハラスメントにすぐツッコめない雰囲気があることの証明にもなっています。セクハラ・パワハラに誰も何も言えない雰囲気、これは結構大企業にも多いです。結果的にまだまだ蔓延っているのです。
「ブラック企業」という言葉が認知されたことによって、問題のある企業が目につくようになりました。以前は入ってみないとわからなかったものが、就職する前にわかる要素が多くなったのです。逆に言えばこれだけ情報が溢れているのに、調べない・調べられない情報弱者の人は、時代が変わってもブラック企業に入ってしまうでしょう。でも、厚生労働省のデータによればここ数年でブラック企業の相談件数は微増(9年連続で100万件超、直近3年は微増 ※1)しています。いっぽうでブラック企業をブラック企業だと言いやすくなった。ブラック企業自体が増えているのか、それとも声をあげやすくなったため認知されやすくなったのかは検証が必要でしょう。
Supervisor: Ryo Nitta
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Illustration: Makomo
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新田龍(にった・りょう)
1976年奈良県生まれ。早稲田大学政治経済学部経済学科卒。働き方改革総合研究所株式会社代表取締役、厚生労働省「イクメンプロジェクト」推進委員、ブラック企業アナリスト。複数のブラック企業での経験から、契約違反や不当要求など法律では裁ききれない企業の違法行為を司法やマスメディアと協同し解決に導くなど活動する傍ら、企業側の脱・ブラック化のためコンサルティングも手掛ける。「週刊ニュース深読み」(NHK)、「さんまのホンマでっか⁉TV」(フジ)などメディア出演ほか、『ワタミの失敗』(KADOKAWA)、『30代で必ずはじめること、やめること』『「伸びる社員」と「ダメ社員」の習慣』(明日香出版社)など著書多数。