特集 2017/8/23(水)
女性たちが支えたアメリカン・アートの歴史 Vol.2

女性たちは写真を武器に芸術界に乗り込んだ!

モダン~コンテンポラリーアートのなかで重要な様式や潮流を発信してきたアメリカン・アート。そこにはあらゆる方面で深く関わった女性たちがいた。今も変わらない男性優位の体制のなか、アートシーンを力強く開拓していった女性たちにフォーカスを当て短期集中連載。第2回目は、20世紀中ごろまで次々に誕生し、世界を牽引したアメリカン女性フォトグラファーを特集。

“近代写真の父”のひとりで、のちにジョージア・オキーフの夫となるアルフレッド・スティーグリッツ(左・1902年撮影)。ヨーロッパ美術の普及に尽力したが同時に女性たちとの下衆な関係でも有名。右はこのポートレートを撮影した女性写真家ガートルード・カスバーによる1913年の作品。

Photo: Getty Images

スタイケン&スティーグリッツから巣立った女性フォトグラファー  
 
20世紀初頭にはエドワード・スタイケン、アルフレッド・スティーグリッツ、両巨頭が現れる。彼らによる「写真を芸術に近づける試み」が写真家集団やグループ、アートムーブメントやギャラリー、出版物など様々な形で行われ、さらに両者ともに商業写真家としても活動していたため、グループや活動に参加した女性フォトグラファーたちや弟子たちも様々な分野へと進出していった。

1936年ドロシア・ラング撮影、米移民キャンプでのこの母子写真(上)は教科書に掲載されるほど有名。被写体とのトラブルでも有名。下は撮影旅行中のドロシア本人。

Photo: Getty Images

枚挙に暇がないアメリカの世界的女性写真家たち
 
たとえばソフトなポートレートからシャープなストレート・フォトグラフィに転換していったイモージェン・カニンガム。ニューディール政策のもと、FSAプロジェクトに参加し大恐慌時代のドキュメンタリー、及びストレート・フォトグラフィとしての金字塔を生み出したドロシア・ラング。マーサ・グラハムのコンテンポラリー・ダンスや光によるドローイングを残したバーバラ・モーガンなど、写真界では多くの女性たちの功績が今でも光り輝いている。

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Text: Ryoko Oh

  • オー・玲子(ライター・リサーチャー)/学習院大学文学部哲学科美学専攻卒。写真通信社、海外誌を中心にフォトリサーチャーとして勤務後、現在アメリカにてライターとして活動。

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