「第22回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭」の楽しみ方
今年5月、フランスでの同性婚合法化に続いて、カンヌ映画祭ではレズビアンの恋愛映画がパルムドールを受賞するなど、ますます注目が高まるセクシャル・マイノリティの世界。今年で22回目を迎える「東京国際レズビアン&ゲイ映画祭」は、世界中から選りすぐられたLGBT映画を気軽に楽しむ絶好の機会。映画祭のトークショーイベントにも出演した、よしひろまさみちさんが、映画祭の楽しみ方&エル・オンライン世代におすすめの作品をナビ!
「第22回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭」の開催を記念して、7月4日(木)に行われたイベントで、なぜかあたし、よしひろ(写真右)がトークショー出演。むぎゃー! まさかの人前にさらされる事件!
というのも、あたし自身ゲイだからってのもあるけど、ゲイを描いた映画についてしゃべれること(マーケットちっちゃいのよ、このジャンルって……)、敬愛するゲイ・アーティストの田亀源五郎先生(写真左・村上隆氏とイベントをしたことがある業界的にめちゃくちゃエライ人)と登壇できるから! ってことで、ひょいひょい参加してしまいました。出過ぎたマネをしてごめんなさい(そしてセルフイントロデュースかよ! というツッコミはしないで!)。
イベントには、来日中だった『アウト・イン・ザ・ダーク』(映画祭上映作品)のミハエル・メイヤー監督も登壇。作品の見どころなどを紹介して、イベント翌日に行われた作品上映&ティーチインの宣伝をば。ありがとうございます~。
続いてあたしらの登壇。テーマは「ゲイ映画をどうして好きになったか」ってこと。当事者から見ればそりゃ好きにならざるを得ないものかもしれないけど、あたしらだって人間。つまらなきゃ切り捨てるわ。見どころ満載でおもしろいからハマるのね。たとえば『セルロイド・クローゼット』(1995年)っていうドキュメンタリーで描かれた通り、“ゲイだらけのハリウッドは普通の映画にゲイをにおわせる隠れキャラや隠しメッセージを入れる”とか、逆に『クルージング』(1979年)みたいなモロ、ハードゲイの世界を描いた作品もあったりとか(それによってストレートからもゲイからも反発あったっていう裏話とか)を、田亀先生と共に1時間ほどしゃべらせていただきましたわ。なかでも、あたしと先生の間で『ブロークバック・マウンテン』(2005年)についての解釈が違ったことは発見。傑作には違いないんだけど、ゲイの当事者同士でも見方が違うのね~(当たり前っちゃ当たり前)。
LGBTがテーマの映画っていっても、重いばかりじゃないし、普通のラブコメとかもあるから、映画が好きな人にはもっと触れてほしいのよね~。このイベントでちょっとでも見方が変わった人がいてくれたらうれしいんですけど~!
●よしひろさん推薦! 今年の注目作品
『ヨッシ』
ヨッシって聞いて「日本人か!」と思う人もいるかもしれないけど、イスラエル男子にはメジャーなファースト・ネームなのよー。ということで、これはイスラエルのお話。軍隊時代の恋人ジャガーが死んじゃって、立ち直れない医者のヨッシ。ひょんなことで出会ったオープンなゲイのトムとの出会いで、彼の心は変わっていく、というラブロマンス。ヒゲデブ&美青年っていう組み合わせだけど、BL心はくすぐられるわね~。
監督/エイタン・フォックス(2012年・イスラエル)
上映スケジュール/7月13日(土)21:00~
『モスキータ&マリ』
女のコ映画からはこちら。LAに暮らす少女ヨランダは、同年のマリと知り合い親密に。や がて大学進学を夢見るヨランダの成績はがた落ち、マリも仕事そっちのけ。初恋の淡~い青~い気分と、アメリカの不法移民問題を合わせ描く恋愛物語よ。普 通、女のコ映画って男子映画よりもふんわりソフトなんだけど(妙にアートだったりする)、これは初恋物語としてなかなか骨太。自分の初恋の日を思い出し ちゃって~。
監督/アウロラ・ ゲレロ(2012年・アメリカ)
上映スケジュール/7月14日(日)14:10~
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第22回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭
東京国際レズビアン&ゲイ映画祭ってご存じ? じつは今年で22回を数える、恒例の映画祭なのよ~! 知らない人、反省して!! テーマはズバリ、LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランス・セクシュアル)。セクシュアル・マイノリティの人々を描いた映画にフォーカスした映画祭なのね。こういう映画祭って、欧米はもちろん、香港などのアジア諸国を含め世界各国で行われてるのよ~。
で、今年はすでに開催中。7月5日(金)~6日(土)で渋谷・東京ウィメンズプラザで行われたのを皮切りに、7月12日(金)からは青山・スパイラルホールで開催されるの。クソ暑い東京。アート感覚にすぐれた女子のみなさ~ん、週末を涼しく過ごすだけでも、この映画祭はオススメよ。
第22回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭
会場/7月12日(金)~15日(月・祝) スパイラルホール
チケット料金/当日券¥1,500(1回券・整理番号付き日時指定)
http://tokyo-lgff.org/2013
text : Masamichi Yoshihiro