完璧なプリンス、最悪の“毒父”
豪放磊落、明朗快活。ギリシャ王族に生まれ、183cmの長身に端正な顔立ち、ブロンドの髪。英国、ギリシャ、デンマーク、ロシアの王族の祖先で、流ちょうな英仏独語をあやつり、スポーツ万能で飛行機まで乗りこなす。そしてクリケットのスペシャリスト……とまさに完璧を絵に描いたような男性。その名はギリシャおよびデンマーク王子フィリッポス・バッテンベルク、またの名をエディンバラ公フィリップ王配殿下。
しかし、その完璧な男性像とはうってかわり、フィリップ殿下にはつねに醜聞がついてまわった。数えきれないほどの失言で世界的に有名だが、もっとも恐ろしいものは「ダイアナ妃の暗殺指令を出した」という都市伝説。それは妃の死後20年を迎えてもまことしやかに囁かれ続けている。
なぜそれほどまでに人々はダイアナ妃の悲劇な死とフィリップ殿下を結びつけずにはいられないのか。そこには暴力的なフィリップ殿下の“毒父”としての側面があった。
Photo: Aflo, Getty Images
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参考資料/『Prince Charles : The Passions and Paradoxes of an Improbable Life』、『Fifty Years the Queen: A Tribute to Elizabeth II on Her Golden Jubilee』、Channel4『Diana: In Her Own Words』、BBC、「Diana: The People's Princess」