特集 2017/7/31(月)

5分でアンディ・ウォーホルが語れる5つのスキャンダル

ポップアート界のアイコンとも言えるアンディ・ウォーホルの生涯を紹介するには、1日では語り尽くせない。けれどこれを読めば5分で知った気になれる! “サラワカ”こと若柳サラさんがウォーホルについて知っておくべき5つのスキャンダラスなポイントを解説。(注:ただし読了時間には個人差があります)

Photo: Aflo, Getty Images

ウォーホルの作品のなかでは特に「キャンベルのスープ缶」やマリリン・モンローの肖像画などが有名だが、彼は写真のみならず編集や短編映画など、アートという枠組みのなか、幅広い分野で製作を手がけていた。真っ白な肌に、トレードマークの銀髪のカツラ。レンズやフィルム、プリンター等あらゆる媒体を通して、私たちが普段何気なく見ているものをアッと言わせるアーティスト。そんなイリュージョンをかける彼の正体を暴きたい。

スキャンダルその1:貧乏から脱出する手段=ポップ・アート
  
1928年にアメリカのペンシルベニア州ピッツバーグで、当時移民であったスロバキア人の両親の元に生まれたウォーホルは、敬虔なカトリック信者として裕福ではない家庭で育ったこともあり、幼いことからお金を作り出すことに強い関心を持っていた。
 
そんな彼のキャリアは、ニューヨークでイラストレーターとして始まった。『ハーパーズ バザー』や『ヴォーグ』に自身のイラストを提供していたが、ファインアートに興味を持って以来、作品制作にのめり込むようになった。コミックがモチーフとなるの作品を発表したのち、1960年代、ウォーホルが馴染みのある商品や広告を、自身のキャンバスに取り入れるようになったのが彼のポップ・アートの始まり。

CBSラジオネットワークのために描いたイラスト(1951年)。

幼少期から非常に繊細で体が弱く、母親がよく彼に食べさせていたという安いスープ缶や、当時大人気だったコカ・コーラなど、60年代に誰もが手に入れられるものを主題に作成していたが、スーパーマーケットで手に入る商品の次に彼が選んだのは、ハリウッドスターだった。マリリン・モンローが突然死した際には、彼女のポートレートを切り取り、印刷し続けたのだが、毎週日曜日には決まって教会に通っていた彼にとって、当時アメリカ人男性の憧れとも言えるモンローの肖像画作成には、幼少期から慣れ親しんだ聖母マリアの肖像画と、どこか重なるものがあったのかもしれない。

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Text: Wakapedia

  • 若柳サラ/ エディター、クリエイター。ミラノ生まれ、ミラノ育ち。ミラノ大学 Comunication in arts marketing学科卒。パリ第三大学ソルボンヌ・ヌーベルMédiation Culturelle de l'Art修了。日伊英仏の国際的クリエイターが共同で発信する、アート&ファッションメディア「Wakapedia」主宰。『ロフィシエル イタリア』のコントリビューティング・エディターやプラダ財団公式日本語ガイドも務める。パオロ・ソレンティーノ監督に請われてアカデミー外国語賞受賞作『グレート・ビューティー/追憶のローマ』にカメオ出演もするなど現地では“サラワカ”としてマルチな才能を発揮している。

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