ワークガールのためのセックスレス相談室
現代社会において、よく取り立たされる「セックスレス」問題。セックスは恋愛においてどこまで重要なの? もし、セックスレスでもそれ以外に満足していたら付き合い続けるべき? 結婚したら変わってしまうの? 20-30代の働く女子からヒアリングした、セックスレスにまつわるリアルなお悩みを、“女のプロ”の異名をとる川崎貴子さんが一刀両断。男と女の役割や思考の違い、社会的背景などを踏まえた分析をもとに、セックスレス問題への処方箋を出してもらいました。
逃げずに話し合う、そして根気よく伝える
K
:セックスレス問題は、何度も言いますが習慣を作っていくことや、普段のコミュニケーションが大切だと私は思います。お互いが憶測し合って、ストレスや寂しさを抱えて、たまりにたまって、何で私を女性として扱わないのよ!ってキレてもろくなことにならない。一緒に暮らしている同棲カップルや夫婦は、明日も明後日も明々後日も、しようと思ったらできることをどうして今日わざわざするのか?という禅問答にそれぞれ陥りがちです。「ずっと一緒に暮らしているし、家のなかではすっぴんだし、あなたも髪ぼさぼさだけど、でもあなたのことを男の人だと思っているんだよ」と、お互いに男性性、女性性を意識できるような褒め言葉をかけあうとか、外でデートするとか、そういう工夫が必要ですよね。
EOL:自分の性を打ち出すんじゃなくて、相手の性をフィーチャーするってことですね。
K
:そうですね。「やっぱり肩幅広いね~」とか、重い物を持ってもらって「さすがだね~、頼りになるわ~」って言ったり。男性側は女性性にもっと火をつけるようなことを言わなきゃダメ。
EOL:日本人の男性、そういうの下手ですよね~。
K
:そうなんですよね。そういうのが上手い人は浮気してたりするし(笑)。
EOL:ではそういうのがヘタなレス傾向男子はどうすればいいんでしょうか。
K
:男も女も、皆優しくされたいんですよ。例えばの話ですが、私の友人が右半身ずっとしびれが続いて原因不明だったんですね。そうしたら長年連れ添った奥さんが3か月間、毎晩さすってくれていたんです。何年も病院に行って治らなかったのに、自分のいちばん信頼されている人の肌から伝わる何かが奇病を治したんですよ。セックスという行為じゃなくても、優しい言葉や、肌のぬくもりなど、人間は必要なんだなぁと思いました。相手がどのような欲求を持って、どんなことをされたら嬉しいのかを知らないパートナーと一緒にいるというのは、淋しいですよね。伝えることと聞くことをさぼらない。関係性も時と共に変わるけれど、その都度相手を思いやって、コミュニケーションを取る以外ないと思います。忙しくてセックスがしたくないと思っていても、ある日何かを取り戻すかのように欲求が出てくるかもしれない訳です。自分と相手の欲求を無理のない範囲で摺合せ、愛情を持って接することで、信頼できるパートナーと幸せに暮らせるのではないでしょうか?
photo : GettyImages
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PROFILE
川崎貴子/1972年生まれ、埼玉県出身。1997年に働く女性をサポートするための人材コンサルティング会社(株)ジョヤンテを設立。女性誌での執筆活動や講演多数。女性の裏と表を知り尽くし、フォローしてきた女性は1万人以上。「女のプロ」の異名を取る。9歳と2歳の娘を持つワーキングマザーでもある。著書に『上司の頭はまる見え。』(サンマーク出版)。現在、恋愛に関するコラム「酒と泪と女と女」をninoyaブログにて執筆中。http://ninoya.co.jp/category/ninoya_log/alcohol_lovers