特集 2014/12/10(水)
するもしないもあなた次第

ワークガールのためのセックスレス相談室

現代社会において、よく取り立たされる「セックスレス」問題。セックスは恋愛においてどこまで重要なの? もし、セックスレスでもそれ以外に満足していたら付き合い続けるべき? 結婚したら変わってしまうの?  20-30代の働く女子からヒアリングした、セックスレスにまつわるリアルなお悩みを、“女のプロ”の異名をとる川崎貴子さんが一刀両断。男と女の役割や思考の違い、社会的背景などを踏まえた分析をもとに、セックスレス問題への処方箋を出してもらいました。

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処方箋その5

“子作り”という大義名分をフルに活用して

親友のように仲良しな彼氏と学生時代から付き合い始めて10年。ほぼ9年ほどセックスレスです。二人とも性欲はないほうのようで、セックスはもちろん、キスさえも兄とするみたいで気持ち悪くてできません。彼とは別れたくないし、浮気する気もありません。ただ、今後結婚して子供が欲しいとなったときにどう切り出していいのかわからないのですが……。(31歳 販売員)
  
EOL:この系統のお悩みも多かったです。付き合いが長すぎる、もしくは学生時代からそれこそ“初めての彼氏”でずーっと付き合ってて。そしてだいぶ前からレスで、今更「子ども作りたいな」ってどの面さげていえばいいかわからない、ということらしいんです。要するにもはや恥ずかしすぎて想像もつかないと。
  
Kでも“子供”っていう大義名分があるじゃないですか! 逆に言いやすいと思うのですが。「今までしたくなかったけど突然したくなったから」じゃなくて、子供が欲しいんですよね。そのまま、正直に。
  
EOL:でもそれこそ、子作りのためのセックスって、男のほうが萎えちゃうっていう話も聞きますが……。
  
K でも、既に9年間萎えてますよね? 彼は子供欲しくないのでしょうか? そんなことも話せないなんていうのがとても不思議なんですけど。だって人生において重要事項ですよ。子供を持つか持たないか? 子供を持つなら何をしなければいけないのか? 小学生だって知ってますよ。子作りも、急き立てるように勤怠管理しないで、「私の場合はだいたいこの時期が排卵日なんだよ~」とか、「どういう風に伝えたら嫌じゃない?」と逆に聞いてみたらどうでしょうか。前もってわかっていた方がいいのか、それとも今日だと言われた方がいいのか、男性心理はわからないから教えてほしい……と聞いてみればいいのでは?
  
EOL:なるほど!
  
K 結婚とか子作りということになると、女性は目的意識がはっきりしますから、急に口調が厳しくなったり態度がとげとげしくなるのはよくないと思います。ただでさえ、胆力無い男性が増えているのですから。でも、この女性の方も、彼とセックスすることに生理的嫌悪を感じていますよね。もしかしたら原因は、付き合いの長さではなくて、遺伝子レベルで似てる相手と付き合ってしまったからではないでしょうか?
  
EOL:似てる相手ということは、居心地いい男性を選んでいるということですか。
  
K 遺伝子の生存戦略で、生命としてのバリエーションを増やすために、親子は似てるわけですから、近親者とか似ている遺伝子を持つ人を避けるようにプログラムされているというのは周知の事実ですが、匂いや本能で避けるはずなんですよね。1年でレスになっているということは、1年で兄弟みたいになっている。何だか本能が甘くなっているのかな? オスとして惹かれるというより、優しい人、趣味が合う人という理性で選んでる。自分のセクシャルな欲求ではなくて、居心地の良い場所を選んでますよね。
  
EOL:それはやっぱり日本人特有ですか?
  
K 恐らく、人間らしい生活から遠ざかるほど、本能は甘くなると思うんですよ。コンクリートに囲まれて自然を感じない、残業が続いている、土日も無いとか。日本はブラック企業でも頑張って働いてしまう人が多いし、本当に皆忙しいじゃないですか? 長時間勤務で休暇も取れないし、レス度は都会の方が高いんじゃないですか?
  
EOL:現代社会が生んだ産物なんでしょうか、セックスレス問題って……。
  
K 世界一働き者で、おまけに睡眠時間も少なくて、アニメやゲームなどのひとり遊びが充実していて、アダルトコンテンツが氾濫している国。これが日本ですよね。女性も働いて稼げ、子供も産め、と言われながら子育てを助けてくれる受け皿も風潮もなく、色々なプレッシャーを抱えているのに、それでもキレイでいないと欲情されないとか……。そんな情報ばっかりでふざけんな!っていう(苦笑)。男と女がお互いの本能を封印して、手をつないで一緒に仲良くしあうのが安心の国、なのかもしれませんね。でも、そうしたら女性の性や子供産みたいという思いはどこへ行くのか。男性はね、コンテンツ多いですからね。コンテンツでいいのかっていう話ですけど(笑)。
  
EOL:どんどんそっちのほうにハマっていってしまう。己で処理していく方向へ……。
  
K 私達の母親世代は、男性からアプローチを受けて、または近所のお見合いおばさんに奨められて、25歳までに自動的に結婚してたわけじゃないですか。でも、今はのんびりしてる男性に、女性がレールをちゃんと引いてあげないと結婚すら進まない。そんなことになっているのに、女性のセックスに対する恥じらいとかだけ旧態依然としているんですよ。友達夫婦でもいいんです。でも友達なら何でも話しましょうよ。セックスのこと、子作りのこと、二人の将来のこと。

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photo : GettyImages

  • PROFILE
    川崎貴子/1972年生まれ、埼玉県出身。1997年に働く女性をサポートするための人材コンサルティング会社(株)ジョヤンテを設立。女性誌での執筆活動や講演多数。女性の裏と表を知り尽くし、フォローしてきた女性は1万人以上。「女のプロ」の異名を取る。9歳と2歳の娘を持つワーキングマザーでもある。著書に『上司の頭はまる見え。』(サンマーク出版)。現在、恋愛に関するコラム「酒と泪と女と女」をninoyaブログにて執筆中。http://ninoya.co.jp/category/ninoya_log/alcohol_lovers

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