ワークガールのためのセックスレス相談室
現代社会において、よく取り立たされる「セックスレス」問題。セックスは恋愛においてどこまで重要なの? もし、セックスレスでもそれ以外に満足していたら付き合い続けるべき? 結婚したら変わってしまうの? 20-30代の働く女子からヒアリングした、セックスレスにまつわるリアルなお悩みを、“女のプロ”の異名をとる川崎貴子さんが一刀両断。男と女の役割や思考の違い、社会的背景などを踏まえた分析をもとに、セックスレス問題への処方箋を出してもらいました。
処方箋その2
レスを議題にあげるときは自分の問題とする
もともと私はセックスが苦手で、断っているうちに彼も求めてこなくなりました。彼との結婚を考え出したこともあり、一度その件について彼に問いただしてみたところ、彼は「お前とは別にセックス目的で付き合っているわけじゃないし!」とちょっぴり逆ギレ風。女として本当にこれでいいのか、彼以外の人とだったらレスにならない可能性はあるのか、悩んでいます。(29歳 営業職)
K
:これは、彼女の伝え方がまずかったのではないかと思います。彼のこの発言は、売り言葉に買い言葉みたいなことかと。なぜなら、ずっと彼女がセックスを断り続けてレスになったのに、問いただしたんですよね。そりゃあ、拗ねるし逆切れ風にもなるってものですよ。彼も悩んで自分のなかで一周し終わって、やっと結論を出したときだったのでは? もう一度話し合った方がいいのではないでしょうか? 「これは、そもそも私の問題からスタートしているんだけど」って。
EOL:あなたは悪くないのよ、という体で。
K
:ええ。あなたと将来のことも考えていて自分勝手で申し訳ないけれど、そのことで今私はモヤモヤしているんだ、ずっとこのままでは寂しいな、と。そういうことを普通に相手を責めずに話し合えなければ、結婚は無理ですね。セックスの問題だけじゃなく、摺合せしなきゃいけないことがいっぱいあるのが結婚ですから。
EOL:この彼女は29歳で、ずっと付き合ってて居心地もいいし、結婚してもいいかなって思ってるけど、セックスレスの問題があるから、年齢的にも他の人も見てみたい、という気持ちがあるのではないかと。
K
:行動に移すなら結婚前ですけれど、経験が少ないという自覚があって、余計迷うんでしょうね。結婚後に後悔するぐらいなら、今の彼と話し合って解決しない場合、ご破算にして他の男性と付き合うというのも有りだと思いますよ。結婚後に他の男性に行くよりは被害が少ないと思います。
EOL:でも「もともとセックスが苦手」と言ってます。
K
:そこが私もいちばん気になっています。原因は、“今の彼”ではなく、彼女自身の心のなかにある場合、どんなに経験を積もうと相手が性に熟練している男性であろうと、苦手は変わらないと思うんですよ。“女として”という一般論ではなく、個性として苦手なら苦手で構わないと思うのですが、克服したいという思いや好奇心があるのなら、その辺りを見つめ直す、もしくはカウンセリングを受けてみるというのも手だと思います。セックスに対してストッパーがかかる何かが見つかって、根本的な解決策が見つかるかもしれないからです。
photo : GettyImages
-
PROFILE
川崎貴子/1972年生まれ、埼玉県出身。1997年に働く女性をサポートするための人材コンサルティング会社(株)ジョヤンテを設立。女性誌での執筆活動や講演多数。女性の裏と表を知り尽くし、フォローしてきた女性は1万人以上。「女のプロ」の異名を取る。9歳と2歳の娘を持つワーキングマザーでもある。著書に『上司の頭はまる見え。』(サンマーク出版)。現在、恋愛に関するコラム「酒と泪と女と女」をninoyaブログにて執筆中。http://ninoya.co.jp/category/ninoya_log/alcohol_lovers