スティーブン・スピルバーグ監督の『リンカーン』が主要5部門を含む全12部門で最多、アン・リー監督の『ライフ・オブ・パイ／トラと漂流した227日』が作品賞・監督賞など全11部門で続く結果となった。唯一、主要6部門すべてにノミネートされたのがデヴィッド・O・ラッセル監督の『世界にひとつのプレイブック』。キャスリン・ビグロー、ベン・アフレックがノミネートを逃すというまさかの結果に。
 
主演女優賞では以前紹介したクワベンジャネ・ウォレスちゃんが『ハッシュパピー バスタブ島の少女』で撮影開始当時5歳という史上最年少でのノミネートとなった。監督、ベン・ザイトリンも監督賞にノミネートされた。一方で『愛、アムール』のエマニュエル・リヴァは史上最高齢85歳でのノミネート。日本では、50年以上前の日仏合作映画『二十四時間の情事』で岡田英次と共演して名前が知られている。　
 
また、衣装デザイン賞には遺作となった『白雪姫と鏡の女王』で故石岡瑛子氏がノミネートされた。
 
作曲賞にノミネートされたアデルは、これを受けてツイッターに「オー・マイ・ゴッド！ メリル・ストリープになった気分よ!?　ありがとう　キス」と投稿。
 
助演女優賞にノミネートされたアン・ハサウェイは、ロサンゼルスの自宅でノミネーション発表を夫とともに見ており、自分の名前が呼ばれた瞬間をこう語っている。
「いちばん最初に私がしたことっていえば『呼吸した』ってことよ。ここ何カ月間か自分が息を止めていたってことに気づいて、過呼吸になりそうだったわ。それで泣きだして、今度は笑い始めたの。それからそのふたつを同時にしたわ。そうしたら電話やメールがじゃんじゃん入ってきたの。この12、3年、映画業界で働いてきて、自信をもてた試しがないから、まったく確信がもてなかったのよ」とのこと。
 
授賞式は現地時間2月24日、米ロサンゼルスのドルビー・シアターにて行われる。
 
主な各賞の候補は以下の通り。
 
■作品賞
『ハッシュパピー　バスタブ島の少女』
『世界にひとつのプレイブック』
『ゼロ・ダーク・サーティ』
『リンカーン』
『レ・ミゼラブル』
『ライフ・オブ・パイ／トラと漂流した227日』
『愛、アムール』
『ジャンゴ　繋がれざる者』
『アルゴ』
 
■主演男優賞
ブラッドレイ・クーパー　『世界にひとつのプレイブック』
ダニエル・デイ＝ルイス　『リンカーン』
ヒュー・ジャックマン　『レ・ミゼラブル』
ホアキン・フェニックス　『ザ・マスター』
デンゼル・ワシントン　『フライト』
 
■主演女優賞
ナオミ・ワッツ　『インポッシブル』
ジェシカ・チャステイン　『ゼロ・ダーク・サーティ』
ジェニファー・ローレンス　『世界にひとつのプレイブック』
エマニュエル・リヴァ　『愛、アムール』
クワベンジャネ・ウォレス　『ハッシュパピー バスタブ島の少女』
 
■助演男優賞
トミー・リー・ジョーンズ　『リンカーン』
クリストファー・ウォルツ　『ジャンゴ　繋がれざる者』
フィリップ・シーモア・ホフマン　『ザ・マスター』
ロバート・デニーロ　『世界にひとつのプレイブック』
アラン・アーキン　『アルゴ』
 
■助演女優賞
サリー・フィールド　『リンカーン』
アン・ハサウェイ　『レ・ミゼラブル』
ジャッキー・ウィーバー　『世界にひとつのプレイブック』
エイミー・アダムス　『ザ・マスター』
ヘレン・ハント　『The Sessions（原題）』
 
■監督賞
アン・リー　『ライフ・オブ・パイ／トラと漂流した227日』
スティーブン・スピルバーグ　『リンカーン』
デイヴィッド・O・ラッセル　『世界にひとつのプレイブック』
ベン・ザイトリン　『ハッシュパピー　バスタブ島の少女』
ミヒャエル・ハネケ　『愛、アムール』