セレブコラム 2014/11/21(金)
立田敦子のセレブBUZZ/『ゴーン・ガール』『インターステラー』

この冬マスト! アカデミー賞の有力候補2作品が公開

いよいよ今年も賞レースが幕開け。全米大ヒットを記録し、来年のアカデミー賞に絡んでくること間違いなしの話題作『ゴーン・ガール』と『インターステラー』がこの冬公開。さっそく見どころを予習して映画館へGO!

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 (C) 2014 Twentieth Century Fox

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フィンチャー監督の手腕が光る、極上ミステリー

ハリウッド・フィルム・アワードのプレゼンターとして登場したジョニー・デップが、酩酊状態でFワードを連発するという生放送にあるまじき放送事故が話題になったが、まさに、このアワードによって、今年の映画界の賞レースが本格的にスタートとなった。
 
最優秀作品賞、脚本賞に輝いたのはデヴィッド・フィンチャー監督×ベン・アフレック主演の『ゴーン・ガール』。脚本も手がけた作家ギリアン・フリンの同名ベストセラーの映画化だ。
 
NYで雑誌のライターをしていたニック・ダン(ベン・アフレック)は、電子書籍やインターネットの普及の煽りを受けて失業。妻のエイミー(ロザムンド・パイク)とともに故郷のミズーリに帰ってきた。大学のクリエイティブ・ライティングの講師などをしながら、どうにか生活していたが、NY育ちの妻エイミーは田舎暮らしになじめない。夫婦の仲は冷めていくばかり。が、結婚5周年を迎えた日、エイミーは忽然と姿を消してしまう。最初は同情をかったニックだが、残されたエイミーの日記から夫婦の危機やニックの浮気などがぽろぽろと発覚し、やがて妻殺しの容疑者となる……。
 
ベストセラー小説なので、多くの観客は事件の行方を知っているわけだが、それにしても『ゾディアック』などミステリーの名手であるフィンチャーの腕前は素晴らしく、後半に行くにつれ、加速度をつけて面白みを増していく。実際、この物語は、謎解きに面白さがあるわけではなく、人生観、結婚観、さらに思考回路の違いなど、男と女のさまざまなすれ違いが引き起こす悲劇が描かれている。
 
原作、脚本が女子作家なだけにオンナのホンネも随所にぶちまけられていて、さしずめ『セックス・アンド・ザ・シティ』ミステリー版といったところだ。フェミニスト的といえる小説を、ブラックユーモアと風刺を交えて、ミステリーに仕立て上げたフィンチャーはやはりスゴい! ちなみに、目下、フィンチャーのキャリアのなかで最高のヒットを飛ばしている。

  • 『ゴーン・ガール』
    監督/デヴィッド・フィンチャー
    出演/ベン・アフレック、ロザムンド・パイク、ニール・パトリック・ハリス
    配給/20世紀フォックス映画
    公式サイト/http://www.foxmovies-jp.com/gone-girl/
    2014年12月12日(金)~、全国ロードショー

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text : Atsuko Tatsuta

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