発表直前! 2016年アカデミー賞の注目作をご紹介
いよいよ日本時間2月29日(月)に授賞式が迫った第88回アカデミー賞。3月~4月にかけて日本公開されるアカデミー賞関連作のなかから、おすすめの3本をピックアップ。見どころをチェックして授賞式本番に備えて!
金融に詳しくなくても一見の価値あり!
2月の最終週の日曜日、つまり今年はLA時間で28日の夜(日本時間の29日朝)に開催されるアカデミー賞授賞式。第88回を迎える今年は、1月のノミネート発表段階から、20名の俳優賞の候補者全員が白人だということに抗議する“ハリウッド・ダイバーシティ問題”で紛糾したりしたが、作品賞、監督賞などの上位賞も例年になくコンペティティブな状況になっている。
現在のところ、作品賞は『レヴェナント:蘇えりし者』、『スポットライト 世紀のスクープ』、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』、『マネー・ショート 華麗なる大逆転』と4作品が強いのだが、予測はさておき、今回は、授賞式から1カ月くらいで日本公開されるオスカー絡みの注目作をご紹介。アカデミー賞自体は、2015年に米国内で公開された作品が対象だけれど、日本では、賞に絡みそうな作品はアカデミー賞効果を狙って、2~4月に公開されるケースが多いので、1年のうちでこの時期こそ、最も作品が充実している時期ともいえるのだ。
ということで、公開順に紹介するとまずは、『マネー・ショート 華麗なる大逆転』。米国の純資産の1/4が損失し、金融業界に大混乱を招いたサブプライム住宅ローン危機の裏で、大儲けをした4人(組?)の男たちの実話。アカデミー賞にもノミネートされたブラッド・ピット主演の『マネーボール』の原作者マイケル・ルイスのノンフィクションが原作で、本作もブラッド・ピットがプロデュースを手掛け、主要キャストのひとりを演じている。バカバカしいと思えてしまうほどの、ウォールストリート=金融業界の実態が描かれ、真面目な話にもかかわらずまるでブラックコメデイを見ているような気持ちにさせられる。金融に詳しくない人も一見の価値あり、です。
アカデミー賞には、作品賞、監督賞、助演男優賞(クリスチャン・ベール)、脚色賞、編集賞の5部門にノミネート。
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『マネー・ショート 華麗なる大逆転』
監督/アダム・マッケイ
出演/クリスチャン・ベール、スティーヴ・カレル、ライアン・ゴズリング、ブラッド・ピット
配給/東和ピクチャーズ
公式サイト/http://www.moneyshort.jp/
2016年3月4日(金)~、全国公開
text : Atsuko Tatsuta