カフェやブラッスリーの定番、オニオングラタンスープ
フランスでは、大人も子供もオニオングラタンスープが大好き。熱々のオニオンスープにパンととろけたチーズがのっているこのメニューは、冷えた身体を芯から温めてくれる。玉ねぎは、利尿・強壮・抗感染作用などにより古代から食されてきた根菜。フランスではさまざまな種類が市場に並び、甘口の白玉ねぎや、トゥーランジュ（ピレネー＝オリアンタル県）産の大玉ねぎなどがよく知られている。
　　　
ナポレオンも愛した野菜!?
「La Chanson de l'oignon（玉ねぎの歌）」は、ナポレオン・ボナパルト率いる大陸軍やインペリアルガード（皇帝親衛隊）が歌っていたとされる古いフランスの行進曲。兵隊が戦場で歌うなんて、それほど玉ねぎは愛されていた!?
♪J'aime l'oignon frît à l'huile,'aime l'oignon quand il est bon,,, （油で揚げた玉ねぎが好き、とってもおいしいから好き……）

「血液サラサラ」のゆえん“硫化アリル”
玉ねぎを切ったときに涙が出るのは、硫化アリルという刺激成分のため。血液の凝固を防いでサラサラにすることでも知られるほか、血中のコレステロールを下げる働きも。糖質の多い素材でもあるけれど、この硫化アリルが糖質をエネルギーに変えて消費しやすくする。また硫化アリルは加熱すると非常に糖度の高い物質に変化する。玉ねぎを加熱するオニオングラタンスープの甘さはこのため。
　　
ヴァルネ博士の玉ねぎレメディ
効果／強力な利尿作用、尿素と塩化物の溶解・排泄、抗リウマチ、抗壊血病、消毒・殺菌効果、去痰剤として、消化促進（でんぷん質の消化を助ける）、抗硬化症・抗血栓症、血糖値を下げる、抗腺病、駆虫効果、誘眠

玉ねぎでヘルス＆ビューティケア　
　　　　　
■風邪薬2タイプ
発汗作用や解熱作用があるので、初期にたっぷり摂ると回復が早くなる。
玉ねぎのシロップ――玉ねぎ1個を輪切りにして砂糖をふり、24時間置いてシロップ状のエキスをとる。1日大さじ2～5杯を飲む。
玉ねぎのうがい薬――玉ねぎの絞り汁をお湯で5～6倍に薄めてうがいをする。喉の痛みの症状が緩和される。
　　　
■玉ねぎの煎じ薬
玉ねぎの皮を煎じて飲む。
血圧を下げ、毛細血管を丈夫にする。飲みつづけて1週間ぐらいで効果が現れる。
　　　
■玉ねぎの美白ローション
すりつぶした玉ねぎを浸した酢または玉ねぎの絞り汁で、そばかすが気になる部分をマッサージ。
そばかすが薄くなる。
　　　
■安眠サシェ
みじん切りにした玉ねぎをガーゼに包んで枕元に置く。
玉ねぎの揮発成分が神経を安定させるのに役立つといわれ、不眠の解消に。 
　　　
■暮らし回りに役立つ玉ねぎTIPS
1. ドアや窓についた手垢を消すには、半分に切った玉ねぎでこする。
2. 木食い虫を退治するには：半分に切った玉ねぎで被害の出ている場所をこする。10～15日間続ける。
3. 銅製品を虫食いから守るには、玉ねぎの汁をブラシに浸して塗る。
4. かまどやニッケル製品を玉ねぎのかけらでこすると、さびにくくなる。
5. 銅製品の汚れは、すり下ろした玉ねぎと湿った土を混ぜたもので磨くとピカピカに。
6. ニスを塗ったかばんやベルトの光沢を取り戻すには、玉ねぎのかけらでこする。
7．ブリキの箱に貼ったラベルを玉ねぎのかけらでこすると、剥がれにくくなる。
8．玉ねぎの汁をブラシにつけて紙に文字を書く。そのままでは何も見えないけれど、紙を温めると文字が見える、「不可視インキ」になることが知られている。
※効果には個人差があります。