予想以上に奥が深い! 2種類の猫ひげを巧みに操れ
猫ひげテクニックは厳密には2パターンある、と話す鈴木さん。
「ひとつは目の下のエリアに3本線を入れるパターン(=上猫ひげ
)で、これはクマ隠しと、目の下の三角ゾーンを明るくするハイライトの意味があります。骨格の関係上、目の下は影が縦にできやすい部分なので、この影を猫ひげでいろんな方向の角度に飛ばすことで、顔がフワッと明るく見えるんです。いちばん明るくしたいゾーンから徐々に広がっていくイメージです。
もうひとつは、ほうれい線を目立たなくしつつ立体感を出すパターン(=下猫ひげ
)。これによって若々しくイキイキした表情になれるうえ、わざわざシェーディングをあとから入れなくても顔に充分な立体感が生まれ、小顔にも近づけます」
具体的な入れ方は顔の輪郭や大きさによって緻密に異なるそう。さらにメイクによって使い分けるのがベストだとか。
「アイラインがポイントの日は、下猫ひげがおすすめ。目もとの線を主張しているときは、その他の線が目立たないほうが美しく仕上がるので、よけいなほうれい線は消すべきだからです。マスカラをたっぷり塗るときもそれが線になり、影も落ちやすいので、このときはさらに上猫ひげも入れたほうがキレイです。
ダークリップも、どうしても口もとが沈んで見えるので、下猫ひげで明るくするのがベター。光を吸収してしまうマットリップも、明るさが出づらく乾燥して見えがちなので、同様に下猫ひげで整えるべきです。グロスは光の反射で周辺の肌も明るく見えますが、ダークリップやマットリップは反射しないので、上猫ひげも追加してワントーン上げると仕上がりに差が出ます」
ちなみにヘアスタイルによっても、ほうれい線の目立ち具合は変わるそう。「目よりも長い前髪を横に流したスタイルだと、流したところに斜めの影が入り、その影とほうれい線の影がリンクして、すごく目立ってしまうんです。髪色が暗い人も、顔まわりのダークな要素が多いことで顔の影も目立つ傾向にあります。こうした場合、疲れや老いを感じさせやすいので、下猫ひげが効果的になります」(鈴木さん)
>>次から輪郭別に詳しく説明!
photo:IMAXTREE illustration:moeko
-
<お話を聞いた人>
鈴木智香さん
ヘアメイクアップアーティスト。2010年よりフリーランスとして活動を開始し、ショー、雑誌、広告、TV、映画、映像、舞台、講師など多岐にわたって活動。2015~17年、メイクアップアーティスト松井里加氏に師事。2017年秋より「A.K.A」所属。